第四回【なんでしょう句会】投句一覧

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〇お題1 蒲団
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1 ひとのなりした羽根蒲団凍らせる
2 出しなさい蒲団で飼つてゐるものを
3 抱きよせて吾を放さぬ布団かな
4 涅槃で待つ羽根蒲団より浮世床
5 独り寝や羽毛布団の頼りなさ
6 顕現す新天地かな敷布団
7 蒲団干すための蒲団を出でられぬ
8 布団なら隠せるほどの秘密かな
9 敷きっぱのふとん寝そべりパンを食ふ
10 無効
11 主の居ぬ蒲団を思ふ佐渡ヶ島
12 遠吠えや蒲団かぶりて自戒する
13 颯爽とモスラ飛び立つ羽根布団
14 椅子布団マリー=キュリーになれはせず
15 繰言を吸ふて蒲団の重きかな
16 隣家の布団取り込まれぬまま夜
17 並べたる布団の距離や意気地なし
18 ふとんよしさんてんとうりつじいじみて
19 午前四時しれっと蒲団奪われる
20 童貞が固い蒲団で毒を吐く
21 真夜中に武者が布団を踏みにくる
22 かりそめや丈の足りない羽根布団
23 掛け布団越しに曖昧なる獣
24 面談は布団のなかで聞きました
25 輝ける蒲団の下の地脈かな
26 羽根布団瓦寝そべる春の午後
27 夢高く日に干す布団の世界地図
28 どの家も布団ばさみのバネ強し
29 楽園に蒲団屋のある訳を聞き
30 蒲団よりえなりかずきの顔出づる
31 洞穴の布団けものがマーキング
32 冬の蒲団じゅもんホイミラリホー
33 日暮れまでふとんリプトン文庫本
34 島さびし蒲団冷たく重い冬
35 濡れ和紙や布団の上下止まり闇
36 ひとり旅出来ざるものに蒲団蒸し
37 爆音をたてて去りゆく蒲団かな
38 夕や潰す吾の脱け殻の掛蒲団
39 太陽の匂ひ少なき布団かな
40 由紀さおり流るる昼餉蒲団敷く
41 真ん中に蒲団敷かれて寄る辺なし
42 蒲団より矢放つタクラマカンまで
43 春立ちて佐藤ふとん屋跡地かな
44 死ねっ死ねしねしねしねと蒲団打つ
45 西向きの部屋は慌てて布団干す
46 卵恋背嘘布団で育てたもの
47 干蒲団乱れ打ちする団地かな
48 曙の布団干すなり冬日
49 蒲団潜つて夜々自尊心かき集む
50 (無効)空蒲団妻の匂いが残りをり
51 ベル遠しふとんおばけも許したり
52 水槽の光の透ける布団かな
53 我を只綿の布団と思へ君
54 布団かぶってもはねのけても無明
55 薄明かりひとの匂いの蒲団部屋
56 これがこの国の布団ね美しい
57 蒲団干し死に損ないの二十四年
58 森ガール布団の中で巻くカール
59 布団はぐまるまる背中足で押す
60 乱れなき蒲団の下に乳さぐる
61 座布団をくるりと返す前座かな
62 起きなさい布団剥がれて団子虫
63 団子より恋より何より羽根蒲団
64 羽根蒲団そろそろ黒子おほひけり

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〇お題2 縞
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65 二本から縞と云うなら空に縞
66 縞縞に轢かれ漫画のやうな恋
67 粋な縞オカピに逢いに行く彼岸
68 シマウマの縞の消えゆく牡丹雪
69 縦縞の手品みたいに春の恋
70 縞馬は枯野を渡る西へ西へ
71 盲のシマウマ天駈け春動く
72 縦縞の彼寝ころびて下萌ゆる
73 ちゃんちゃんこ横しまなれど父思い
74 節分や横縞シャツと試着室
75 父帰る四半世紀の縞の傘
76 鳥雲にミルクレープは縞々に
77 雪どけや残像の縞のぼつてゆく
78 縞めのう幾度か抱かれ冬終る
79 蜃気楼縞馬まれに肉喰らふ
80 ミノギアラ親父シマチョウもう一丁
81 縦縞のカーテンひらり猫の恋
82 スキー部のジャージの縞が多すぎる
83 日曜日シマウマに降り続く雪
84 冴返る水平線と縞のシャツ
85 冬の月シーツの縞の波ぬめる
86 しましまの熊がいるなら会いたい
87 縞模様似合わぬ人よさようなら
88 煙突や陽炎ゆらぎ縞となり
89 しましまや痒い手首ゴムのあと
90 冬ごもり群れて絡まる縞の蛇
91 弾む前のスーパーボールの縞寒し
92 崖にたつ縞は太古の海の跡
93 縞柄のネクタイ長し新成人
94 しましまの天気図羽織り冬将軍
95 横縞やパットメセニー亀鳴かす
96 春や昔フリッパーズの縞と縞
97 カプチーノ縞から一線リーフと化す
98 春風に縞の靴下合わせをり
99 嬰児や縞鮮やかな蜂来る
100 雪原に縞引き終えて戦車燃ゆ
101 短足の縞馬連れて冬の虹
102 かぜのよる縞々男あらわるる
103 朝焼けのゲレンデ飾るよろけ縞
104 シマシマの長いマフラー長嶋君?
105 菜飯炊く女房髪に白い縞
106 横縞と縦縞まぐわう猫の恋
107 春日影けものに縞を刻印す
108 マクドの縞々のあいつみたいやな
109 虎縞の腕刈りて明日はいざ春
110 ほころぶ日縞の紬に梅の帯
111 降りしきる雪や湯呑みのよろけ縞
112 春遠き普天間星と縞揺れる
113 春光のいくつの波で海の縞
114 地図に縞春の招待状来たり
115 春風やくらへおいらの縞瑪瑙
116 (無効)恋猫や雄に気高き化膿あり
117 無効
118 しましまのしっぽ天指し蝶とまれ
119 大理石縞なぞる指春近し
120 すれ違う度の干渉縞や冬の首都
121 寒風や縞馬の縞動かざる
122 春日傘オカピ模様を縞として
123 縞馬の白のあたりが冴え返る
124 縞柄の幕どこからか卒業式
125 文字列が縞と見えたり春の雨
126 薄氷や裏地の縞の飽きる頃
127 等高線の縞さざめかせ春の風
128 休日の午後のヨコシマカットソー

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〇お題3 喧嘩しばり
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129 ごまかしがバレてタイヘン申告制
130 男ってバカよ二個目のみかん剥く
131 "Kill me!"は「殺せるものなら、さあ殺せ!」
132 disられてgo shit goと呟けり
133 スギ花粉総て貴様にくれてやる
134 妻チェーン越しに笑みたり冴返る
135 (無効)鳥帰る海兵隊の縞は青
136 知るか馬鹿放った晩の鱒の顔
137 家出して行くところなし春の暮れ
138 けんかした母との最後の誕生日
139 白き皿タワシにレタス添え夕餉
140 残雪や傷つき傷つける私
141 狼藉者目を見ずに噛む炉端漬け
142 ルノアールにて押印を迫る君
143 白梅や先に謝るべきでしょう
144 組み合ったまま転がって春の雪
145 憤る資格のありや犬洗う
146 春立ちぬ争う声が彼方より
147 春の闇ひるの仕返し少し噛む
148 決戦に備え八丁味噌仕込む
149 蹴る殴る蹴られ殴られ春うらら
150 春日和場外乱闘うそほんと
151 ふははははお前も橇にしてやろうか
152 何時からか思想へ優劣禁忌化し
153 窓の外雪降り積もり休戦
154 春の陽の擬音どほりに殴りけり
155 正しさで勝って二月の悔い残す
156 だからそれはと吠えたとき蜜柑届く
157 さびしいを使えば四字で済む文句
158 母さんが渡しといてとチョコを置く
159 春色のかかとの音や鼻血跡
160 起き抜けの喧嘩立春大吉
161 ブランコに不穏な二人漕ぎもせず
162 春服の二人振りかへらずにのる
163 小春日や対峙する尾のふくらめり
164 春眠し二十歳の俺を言ひ負かす
165 泣く女ピカソみたいな顔してる
166 落日やサルルンカムイの痴話喧嘩
167 暖簾割るお好み焼屋の痴話喧嘩
168 耳裏に春の小鬼や口舌繰る
169 バレンタインまでが期限だ降伏せよ
170 億年の腹立ちかアンドロメダ
171 殴りつつこぶしが切れている感じ
172 金鳳花痴情のもつれと囁きぬ
173 聞きたいのならゆうてやる鬼は外
174 鉄拳や顔縞にして伏す蒲団
175 探りつつ語尾をだんだん悪くする
176 証拠など要らぬ女ぞ虎落笛
177 空風やだんまりと決めノブまわす
178 みな耳をふさぐ喧嘩や春寒し
179 無効
180 言い負けて悔しかりけり春の服
181 しゃらくさい死ねばいいのに春隣
182 黙れば大田螺みたいな顔だな
183 まりやより取り合うのならなほこかな
184 チョコレイト投げつけ苦い指の我
185 いま姉を殺りにゆきますバレンタイン
186 寒月や殴る一瞬だけ触れる
187 もういいよもうってなんなのカモミール
188 聞こえないおまえのことばなど冬蠅
189 壁を背に窮鼠ならざる鼠は笑む
190 セーターがマフラーになりたまになり
191 バカガイのようだと兄になにごとか
192 売り言葉放って空し8byte