【コバ夫のできる選句シリーズ】

※以下は凡コバ夫センセーのなんでしょう句会予行編 選句時(2011.11.20)のツイートです

もうすぐ選句を終えてディスカッションですが、不安な人もいると思うので、
「コバ夫の、できる選句シリーズ!」を。

その1
自分が否定したり点を入れなかった句に、別の誰かが超明晰な解釈を示し、座が「おぉ!」となったとき(よくある)の処し方!

そういうときに一番有効なフレーズは「読み落してました」だ。潔く己れの浅さを認める姿勢が好ましい印象を与える。読み「落として」たというのがポイント。「普段の自分なら理解できた」と暗に(声高にでなく)主張できる。「俺もそう思ってた」では後づけ感が強く説得力がないから注意。

「読み落してました」を、ほんとう?と疑う人はあまりいないので概ね安心してよい。自分の発言の機会が終わって、後から明晰な意見が出て、別の人の意見をいう場面になっていても、「読み落してました」は臆せずに「挟む」のが大事。


「コバ夫の、できる選句シリーズ!」その2。
初心者を句会に連れて行った際、「大丈夫だよ〜」的なくだけたムードでくだらない雑談でリラックスさせつつ、不意に「凡コバ夫・選!」と明瞭に発語したり「披講に移ります」などの用語でビビらせて優位に立とう。


他じゃ教えてくれないヨ。コバ夫のできる選句シリーズ!その3。
いい句なのに君だけ点を入れてないぞ的に孤立したときのフレーズ。「できた句だが」「僕の興味と薄かった」的に異なる価値観を示唆。審美眼の「広さ」と同時に僕の興味という探究心の「深さ」をみせつける。

先の「読み落してました」を、自分が発言するタイミングじゃないのに「挟」んだほうがいいと言ったのは、これがほぼ「先着一名有効」の言葉だからだ。「アー!」と空を仰ぐくらいの動作で「完全に読み落してたコレ!(バカだ俺)」的な大きさで、先手をとろう。


コバ夫のできる選句シリーズその4。
自分で選んだ理由を語る時「これ、長谷川櫂は取らないだろうけど」などと新聞の選者などの俳人の名前を付け足す。俳人の名前を知ってる」「その人の選句傾向を分かってる」=博識感、さらに「自分の俳句観がある感」を醸し出せる。

続き。万一「長谷川櫂は取るんじゃないですか?これ」と言われたら、「あえてね?」と対立しないようにいなし、そいつに喋らせないよう(長谷川櫂の選句傾向を本当は知らないことがバレないよう)に自説をまくしたてよう。


コバ夫のできる選句その5!
同じ季語の過去の名句を出して「○○といえば、(もちろん)○○や〜の句があるわけですが」と博識アピール。このとき「当然皆さん知ってるでしょうが」感は抑えて。もちろん!と感嘆符つけるのはNG。「さらっという」のががベター。

この際「○○といえば、芭蕉の○○や、の句がありますが」と作者名を入れない方がよい。「皆も芭蕉の句だってことくらい知ってるよね的な前提」にして、座の皆の「俺、私、博識扱いされてる」ことの高揚に結びつける。

逆に「博識前提」のコンボが続く中では「知らないことを隠さない謙虚さ」もときに有効だ。「○○やって、誰の句なんですか?」と、少し遅れてさし挟む。大抵の人は実は知ったかぶっていたので、内心で評価をあげてくれる。知ってる人にも向学心豊かアピールに成功!


コバ夫の「できる選句シリーズ」その6。
575の各部分を「上五」「中七」「下五」と「言う」。「コスモスや、がいいですね」ではなく「上五がいいですね」で一気にそれっぽく。だが「コスモスやってのがいいですね」は鈴木君の真似するキャバ嬢的には「アリ」だ!

ほら、「上五が」とかっていう。「私はこれらを『○○俳句』って呼んでて」も有効!(呼べるほどに俳句に接してる感)←いや、感じゃなくて接してんだ。

先の「○○の季語といえば、○○や、の句が有名ですが」と切り出して「○○やって誰の句ですか?」の「謙虚さ」差し挟みがきて、「知らなかった場合」。その場での関係性が上の場合「フィーリングで喋ってんだから黙ってろ!」でいいが(hidoi)、そうでない場合。

「えーっと」とかチッ、スーーと空気を吸い込むような音を出して時間を稼ぎ、同席した他の人から「芭蕉」と出るのを待ち「そうそう」と。「そうだ芭蕉だ」は白々しいので、被害最小限のうちに次の話題に大急ぎで移ること。


凡コバ夫のモテる!取り繕い選句入門(←コーナー名変わったな)。
「つきすぎ」と「動かない」のイカす使い方は、またあとで!

コバ夫の選句入門。
「動く・動かない」「つきすぎ」などの「意味」は知らなくてよい(!)。「これは」季語が動く「ね」。「これは」○と×がつきすぎだ「ね」。のように「これは」と「ね」で挟むのが肝要(自信に満ちた感じで)。動くかつくかは大抵ただの主観なので。

「これ、季語が動くんじゃないですか?」などと疑問系だと「いや、これはこの季語(で決まり)だろう!」みたいに自信に満ちた意見の人に一蹴されてしまう。BSマンガ夜話いしかわじゅん先生のように「○○は絵が下手だからさ」という強さで座を支配する気概で。

ただし、それこそ「主観で」、「今、コヨーテ(俺)がライオン(相手)を前にしてるな」みたいな実力差を感じる相手の主観には従う!「で、すよね〜」と自説など発声しなかったかのような手のひら返しで。

もうすぐ予行編の「披講」が始まりますが、動く、つく、の意味の説明はしないことにする(使い方の説明はした)ので、皆「知ったかぶりとフィーリングで」使ってみてください。さして違和感ないはずだ。


コバ夫のモテ選句講座!
「この句は(良いけど)類想がありますね」も、知った風にみえる(博識感アピールできる)フレーズだ。しかし「たとえば?」と類想句の具体例を求められることが稀にある(だいたいの人は知ったかぶるので、アルアル顔で黙ってるが)。

その際は「カルチャーセンターで教わって、そこそこ出来てるオバチャン句にいっくらでもありますよ!」みたいに、いっけん具体的ぽさと「枚挙いとまなさ」とを強調して類想句が浮かばないことを隠そう。

しかし僕は、そこで「たとえば?」と、テンポを崩してくる女子が、好きだ(……女子前提なんだ)。コノヤロー俺が頭よくみせようと必死なのに!とギリギリした気持ちになる一方での、「コイツできる!敵にしたくない!」感。なに言ってんだ。


凡モテ選句講座!
「景色が浮かびます」でいいところを「景(けい)がみえる」などの「言い方じゃん、それ」的なフレーズも選句にはたくさんあるからどんどん使っていこう!「締まった句です」とか(←これらは主語を言わないのが格好よくみせるポイントだ)。