【なんでしょう句会】作者別句得点一覧(一〜七)

【兄妹(妹)aninoimouto】135◎18×3
あな悔し氷砕いて臼歯あり 5
横断の模様白だけ踏んで朝 12◎2
ポケットの指悴んで天邪鬼 5◎1
元日やタモリ恋しき昼の居間 6◎1
初夢を覚えてないの月曜日 2
色ばかり食べてるような色のグミ 32◎7
円卓のぐるりおでんを要とす 6
猫の腹分相応に撫でて良し 13
中指の爪ほどの小口開きたり 2
蒲団潜つて夜々自尊心かき集む 4◎2×1
嬰児や縞鮮やかな蜂来る 17◎1
スギ花粉総て貴様にくれてやる 9◎2
憤怒せり濡れし若布で頬を張る 1×2
草餅を咥ふ右手のキツネ逃ぐ 6◎2
コードレスアイロン遍路の如く踏む 1
青眼の太刀や一閃して薄暑
遠足のガラス重たき魔法瓶 5
蠅の来てブブゼラのごと唸りたり 4◎1
稲妻や馬鹿って言ったヤツが馬鹿 3

『すきまめし1巻』厨の友とする 1
九を9に置換してのち秋始む 1


【あま栗(ん)amaguri_n】43◎4×4
牛すじをおでんに入れて三年目 6
鼻風邪を分度器使ってはかられり 1
長風呂やふやけて厚い富士日記 17◎1
布団なら隠せるほどの秘密かな 13◎1
縞模様似合わぬ人よさようなら 6◎2×1
家出して行くところなし春の暮れ 0×3


【ゆか(夕)annayukarina】48◎5×2
初氷よちよち転ぶこぶし締め 2
枯れ葉舞う幾何学模様風の中 3
さめざめと小豆を洗う井戸の水 3
デパートや初夢競う人いきれ 1
初夢は一富士二鷹加藤鷹 2
焼けた肉でっかいかたいおおざっぱ 11◎2
くつくつと温泉つかるおでんかな 3
崖っぷち俺とおまえと60分 4
早1年鞄の主の文庫本 7◎1
夢高く日に干す布団の世界地図 0×1
ほころぶ日縞の紬に梅の帯 9◎2×1
暖簾割るお好み焼屋の痴話喧嘩 3


【あら丼(丼)aradon_3】122◎9×2
氷道そっと踏み出す赤い靴 5
顔に縞模様つくりて日暮れかな 5
残り湯やベラを眺めつ蜜柑喰う 5
先長き二年参りや線路脇 3
字の中に初夢捨てけりモカ・マタリ
ブランチやSLY流して雑煮椀 1
此頃は囲まずに食ふおでん鍋 4◎1
ぼた雪やベッドですする三分粥 10◎2
探偵をあつめて妖し創元社 16◎1
夕や潰す吾の脱け殻の掛蒲団 3◎1
節分や横縞シャツと試着室 1×1
セーターがマフラーになりたまになり 7×1
野球場かたく握った若布飯 14◎2
白梅やランナー消えし右カーブ 9◎1
啓蟄や脱水槽よなぜ騒ぐ 3
くさめする声忘れざる薄暑かな 6
朧夜や切子ガラスのハイボール 6
散る花やけんばんハーモニカ合わず 2
稲妻や黒猫何か咥へたる 11
4個入りカロリーメイト秋うらら 1
秋晴や笠置シヅ子の口広し 10◎1


【あぶれ(炙)arisaypg】7◎1
スパートは おでんに賭ける 3キロ減 1
分が悪い せめてチークで 華やぎを 3
色褪せて それでも棄てれぬ 文庫本 3◎1


【栗人(栗)ayakostonez】57◎11×11
年越のグラスの氷なごり惜し 5◎2
白い髪市松模様似合わない 2
大広間座敷わらしのくしゃみ聞く 6
新月や蒲団も凍るひとりごと 4◎1
初夢がこたつの中で丸くなる 8◎3
アパートの鍵で出世の摩天楼 4◎1
橋の下半紙の釣りでおでんかな 1
分水嶺気づかぬうちに過ぎにけり 6◎1
さらば夏の光よ棚の奥にさす 11◎2
涅槃で待つ羽根蒲団より浮世床
ちゃんちゃんこ横しまなれど父思い 5
まりやより取り合うのならなほこかな 2◎1
おみおつけ若布で出汁取る幼妻 -5×5
春雨や五十鈴も濡れる右太衛門 1
そうじきの音で春眠破られり -2×2
硝子箱覗けば海鼠壁今日のあて 0×1
腋の下剃刀沁みる薄暑かな 2×3
五月雨にトライアングルラブレター 1
配置図に我が卓なきて紅葉忌 3
稲妻やモナリザの骨拾い上げ 2
電話切り鳴門金時喰らう闇 1


【ちこ(知)Chiko9781】83◎11×12
初鶏や眼鏡のずれて目が覚める 5◎1
初夢や小吉くらゐの夢をみる 5
寒紅のなほ艶めくやチェリーパイ 15◎2
おでん屋で同伴出勤たまご食ふ 7
分けられた版の重なり冬いちご 5◎2
うたたねの文庫枕に春近し 5◎1
森ガール布団の中で巻くカール -5×6
蜃気楼縞馬まれに肉喰らふ 13◎2
春日和場外乱闘うそほんと 2◎1
午前2時乾燥わかめは膨れたる 3◎1×2
春の鳥右肩に爪を立てており 1×1
花曇りミシンをかける音ありや 9◎1×1
流されてガラスの角とれ春の海 3
春陰やピックをくれた人がいた 5
夕薄暑寝転んでみる再放送 7
風船に描かれたピカチュウ頼りなく 1
秋来たるふたりの部屋に鍵を置く 2
窓を開けずっと稲妻見ていたい 0×2


【帽子(帽)chinoboshka】60◎9
罪や我が吐く息さらに白くあれ 5◎1
初夢の象の鼻こそ優しけれ 11◎1
コロンボの肩にシーズン初の雪 23◎4
戦前やおでんの種の浮き沈み 5◎1
節分の鬼九分九厘白樺派 10◎2
読んでから見るか見てから読むか雪 6


【ちゅう(ち)chooooxxxx】112◎14×4
暴発やくちびる切れて初霞
初夢は四畳半ライブ罠!罠! 2◎1
アリゾナにいるんだまあそうなの坊や 4
おでんこぼしおんなこぼれる夜の手前 10◎2
高分子吸水体や雪明り 7◎1
テレピンを足して冬晴れ灯台へ 1
水槽の光の透ける布団かな 6◎2×1
縞縞に轢かれ漫画のやうな恋 3×1
決戦に備え八丁味噌仕込む 9◎1
給食のわかめご飯や男子女子 16◎4×1
邂逅は右に左に養花天 2
春光や除湿機に海見せられき 9◎1
菜種梅雨ヴィオラゆるゆる弓を挙ぐ 3
手をあてる春夕焼の窓硝子 2
簡便に見合い済ませる薄暑かな 24◎1
秋晴を詰めて少女の置くかばん 4
黄落に埋める全裸の美少年 5◎1×1
稲妻の緊縛グレゴリオ聖歌 5


【百枝(百)chun_kk】54◎8×9
透きとおる汁はとなりのおでんなり 3
一分も保たずに果てり閏月 4
『ての小説』、と話すお方と新年会
面談は布団のなかで聞きました 12◎3×1
日曜日シマウマに降り続く雪 3◎1×1
殴りつつこぶしが切れている感じ 6
人魚だろう口からわかめが垂れている 4◎1×3
ようちゃんがガラスの右腕(みぎ)で注ぐビール -2×3
三月の節電タップの全落とし 3◎1×1
春雷やお前のなかにある鍵盤 11◎2
サイダーを濾してガラスをつくる夏 6
すわ薄暑帰宅部なりにうっとうしい 4


【ちねり(C)cinelli_nande】78◎10×14
プレゼント氷の微笑でアリガトウ 5
クリスマスうずまき模様ギュッと巻く 1
鈴なりて見上げ入道現れり 3
温もりも残さず去るや冬日向 15◎1
初夢を見たという夢いま何時 5
友達に作戦という悩ましさ 6
おでん鍋とろりと笑うトマトかな 8◎2
15分岸和田言葉流れけり 3
文庫本革ジャン着せて旅支度 9◎3
颯爽とモスラ飛び立つ羽根布団 4◎1×1
シマシマの長いマフラー長嶋君? 1×3
もういいよもうってなんなのカモミール 4◎1×4
春雨や玉子スープのワカメゆれ -2×2
開幕や左打席は右の方 7◎1
春灯10年光るぜLED 2×2
汚れたガラスの向うは風薫る 1
風凪いで一息薄暑の川辺かな 4◎1
ハモニカはソミミファレレのファが苦手 2
デンコ去りソーラーパネル設置する -1×1
黄色いスイカとかいいから冷やそう 0×1
水面に稲妻はしる豊作リーチ 1


【好餌(好)cosey】67◎16×5
初東風や廃屋に父わらひをり 21◎7
初夢はいつも正夢また眠る 8◎3
チェルシーに霊集まりし淑気かな 7◎2
酒尽きてちくわぶ残るおでん鍋 10
4分の7拍子なる卒業歌 7◎2
外は雪ハードカヴァーの文庫本 2
ひとり旅出来ざるものに蒲団蒸し 2
寒風や縞馬の縞動かざる 8◎1
disられてgo shit goと呟けり -3×3
舌痛き干若布なり山背風(やませ)吹く
右腕の橈骨神経麻痺や春 3×1
銀婚の哀しきズボンプレッサー 2◎1×1


【大黒覚(大)DEEFIVE_BOT】20◎3
冬が来てソバ屋のコップの氷消え 6
落ち葉舞う模様が立体メタ視覚
うれた柿とらんとなるぞたんころり 2◎1
暖房やセーターのそで捲り上げ 3◎1
初夢の顛末知らぬ大晦日 3
双六の骰子振らぬ星条旗 6◎1


【フジノ(藤)fujinono】150◎22×16
寝るきみの腹に氷を詰めて縫う 7◎2
ラーメンのあぶら模様も飲み下し 11◎2
襟巻きにじゃれる紙舞散歩中 5
写真機や空は寒いから飛ばない 6◎1
初夢の担当夢を発表します 6◎1
テキサスで殺されて早三十年 10
おでんなんかかくれんぼにもなりゃしない 2
寸分もたがわぬひとね前世から 9
きのうから轢かれっぱなしボッコちゃん 7◎1
出しなさい蒲団で飼つてゐるものを 23◎6
かぜのよる縞々男あらわるる 7◎2×4
聞こえないおまえのことばなど冬蠅 2
隣室に若布引きづる幼女をり 9×1
白魚の右目をつまようじでつぶす 9◎3×3
春の闇触れるものみなレンジでチン 1×3
ガラス器にとぐろ巻きをり蛇しづか 7×1
薄暑来ぬページたちまち感光す 7◎1
ピアノはもう弾けないのほら指に黴 2×1
稲妻で動体視力を鍛えたんだ 1×1
みんな死んで褒めてもらえない檸檬 10◎2
水澄んで置き去りの子が笑ってる 9◎1


疲労飽き(ひ)FujiwaraToy】30◎4×11
液晶の向こうの氷をガラス越し 2
流星に目をしばたかせ空模様 1
垢舐めが来たかの様に風呂磨く 14◎2
年越しや君がいなけりゃいつもの正子 2
初夢になすびが踊ってぼちぼちか 1
米語なら得意なのにとビター干す 1
おでんかよおかずにならねえ茶飯炊け 5
コミッション四分ノ一矜持込み 2
死ぬことと見つけたりなむ杢ノ助 1
冬の蒲団じゅもんホイミラリホーか -1×1
しましまの天気図羽織り冬将軍 4×2
蹴る殴る蹴られ殴られ春うらら 2◎1×1
ワカメスープ生まれた日に摂る孝の国 -3×3
右袖をめくり見るきずキスで消す -3×3
プラズマを流れる桜花裂く末脚 2◎1×1


【二三五(二)  】18◎1
かえりみちまたぐか氷歩道橋 5
相棒と相撲の模様相模にて 11◎1
くたびれて河童まくらにきゅうりかな 2


【ふみ(二)fuuu123】7◎1
あつあつの おでんをみやげに 急ぎ足 1
半分こ 君が多めが ふたりのルール 1
母からの 手紙がわりの 文庫本 5◎1


【けば名人(ふ)fuzzmaster79】23◎3×7
オリオンも子犬も集うおでん鍋 5
冬空に見送る影はふたり分 1
寒中の葉書文庫本の重さ 5
日暮れまでふとんリプトン文庫本 3×4
冬の月シーツの縞の波ぬめる 5◎1
けんかした母との最後の誕生日 4◎2×3


【じょーじ(じ)george_ura】56◎5×9
友の背にこっそり氷を放り込む 3◎1
花模様しずくが垂れる五時限目 3
蜜柑かご背中に僕はコタツムリ 1
故郷やガタゴト揺れる電車かな
初夢を見てないからとまた眠る 4
初詣セント一枚投げ入れる 13◎1
問いかけの染みるおでんの白を切る 10◎2
分銅を載せたら君と釣り合うか 4◎1
ラノベだと僕の顔見て決めつけて 9
羽根布団瓦寝そべる春の午後
カプチーノ縞から一線リーフと化す 1
母さんが渡しといてとチョコを置く 3×2
昨晩の若布シンクにひっそりと 2
春歩道右手を上げて一年生 -2×7
春の昼電気ケトルは待たせない 5


【左れいこ(麗)hidari_reko】99◎6×1
髪氷る肩こり少しきつくなり 8
真白なる「はー」マフラーの模様かな 3
臥せ飽きて座敷童とあやとりし 14◎1
ひら天に歯型楽しや初おでん 11◎1
分からない式解く君の指だけ見 11
薄紙の文栞まで数頁 3
漆椀若布見えぬと言い訳す 1
春風や右手にカスタネットの子 16◎2
ラジカセの◎(マル)貝ボタン貼るや祖父 2◎1
トロンボーン5限プールの水を吸ふ 17
病名を知り色消える昼薄暑 5×1
ガラス撫ぜ青葉はげしく踊りおり 8◎1


【珈琲(珈)hilocoffee】83◎11×14
おでん汁すするとき目を閉じる君 7◎1
終電を逃し手袋分かち行く 2
大寒や湯沸き漱石指しおり 7
隣家の布団取り込まれぬまま夜 16◎2×1
マクドの縞々のあいつみたいやな 1×4
春の闇ひるの仕返し少し噛む 13◎3
思われていたはずでした若布ぬた 12◎2
教室は窓が右きき向け黄蝶 5◎2×1
朧夜の脱水の音薫りけり 6◎1×2
メトロ乗らず勘で歩く薄暑かな 3×3
志村の目寄りてガラスの割れる音 2×1
麦茶飲む吾子ピアニカはまだホース 4
けなげなり稲妻という語のいわれ 2
すぐ怒るやさしい人にあげるレモン 3×1
置き菓子のありてくちさびしき夜長


廣島屋(廣)hiroshimaya】41◎8×2
春立ちて佐藤ふとん屋跡地かな 22◎6
春風やくらへおいらの縞瑪瑙 2×1
起き抜けの喧嘩立春大吉の 4
帰るたび若布すすめてくる母よ 5
右の奥歯にスイッチが春疾風 9◎2
欲しいのはルンバ都々逸花筏 -1×1


【しっぽ(ぽ)It_is_shippo】7◎2×21
鍋カレー鍋カレー食べ一週間
炊き出しの雑炊分かつ仮設前
ななななな四十七の三を買う
起きなさい布団剥がれて団子虫 1×1
しましまの熊がいるなら会いたい 0◎2×7
窓の外雪降り積もり休戦 1
三陸の若布の匂い思ひ出す 1×1
右へならえ指先触れる卒業式 0×3
音のない家電揃いし春のよかん 1×1
ボタン開け坂道上る薄暑かな 7
どこかしらガラスの靴と王子様 -8×8
鴨泳ぐトランペットと春の風 4


【山科(科)jnc_klg】209◎30×1 *第二回正選王*
氷張りゆくタクシー多く走る夜 4◎1
セーターの模様にさがす鳥の群れ 6
すれちがう件のもらす花言葉 27◎5
冬晴や並んだビンに触れていく 15◎1
初夢の中では降りた駅を過ぐ 23◎6
カウボーイ扉をひとつ開きたり 10◎1
おでん屋が密かに橋を踏んで去る 15◎2
分銅を右側へ足す冬の暮 8
初雪は安吾を買って出れば止む 17◎2
輝ける蒲団の下の地脈かな 3◎1
雪原に縞引き終えて戦車燃ゆ 30◎7
春立ちぬ争う声が彼方より -1×1
俎板の若布をつかむため睨む 11◎2
右隣男子の座る耳鼻科かな 7
押し込んだ再生ボタン春の闇 15◎2
秋の暮置かれたビラが少し減る 15
稲妻や扉の裏に文字を彫る 3
秋桜や背筋を伸ばすキュアピース 1


【カイ(飼)kaibaoke】94◎13×13
氷踏む猫の背に落つ月あかり 15◎2
白菜の安定感を模様とす 8◎2
手袋をもらい戸惑う手の目かな 12◎1
強情やくちびるましろ肩に雪 11◎3
初夢に失せ物探す古機械 3
プロテインかかえ白い歯それワンツー 4
洞穴の布団けものがマーキング
盲のシマウマ天駈け春動く 0×2
億年の腹立ちかアンドロメダ 1◎1×1
海坊主若布かぶりてIs This Love -2×4
春の恋全部右脳のせいにする 14◎3
涅槃西風ラジオで枝雀ちょける夜 2×2
潰れたる蛙薄暑の通学路 8
フェンダーの傍ら芥子は微笑みて 6
割れガラス薔薇の蕾の赤が濡れ 4◎1
大停電ももクロ黄色は秋刀魚食ふ 1
秋の暮前置きの長いプロポーズ 3×3
稲妻を定規で引いて天を割り 4×1


【くにこ(く)kunikoo】119◎13
トラックのシートのたるみ初氷 26◎4
亡き猫の背中の模様小春空 9◎1
目目連泣くな床上浸水だ 7◎1
短日や午後の日差しに夜の色 3
正座して父の初夢採点す 22◎2
サンセットブールヴァードに冬日落つ 7◎1
三日目のおでんのつゆや午後三時 2
五分五分と言い張りこするみずっぱな 2
休日の創元推理文庫かな 1
へばりつく若布無人のスープバー 18◎3
右折車のスモールランプ春の宵 6
春塵やうなるプラズマクラスター 3◎1
遠雷かスティールパンか夜の部屋 6
ワイパーの拭き残したる薄暑かな 4
夏めくや拭き取るガラスマイペット 3


【ことら(虎)kurotoracchi】141◎20×3
夢に来し菩薩黙つて食ふおでん 29◎7
乳かたき子の言い分を聞く凍夜 2
冬電車京極夏彦取り落とす 13◎1
繰言を吸ふて蒲団の重きかな 13◎1
縞めのう幾度か抱かれ冬終る 19◎4×1
耳裏に春の小鬼や口舌繰る 7◎1
厨暗し女三代若布炊く 5◎1
夜桜やみな右巻きに散りぬるを 5◎1×1
佳き聲の炊飯器あり春の暮 10◎1
くちづけよ薄暑の空の青の下 5
鍵盤を指の乱れて花月夜 0×1
春重し正倉院の硝子椀 6
肩に手を置かれて困る二十二時 6
青天や墓に檸檬の光りけり 12◎1
稲妻や蜜蝋のごと眠る人 9◎2


【レエベマン(爽)Lebe_mann】57◎7
円筒の穴の予定地張る氷 8
天井の幾何学模様冬の朝 17◎4
着ぶくれた川崎駅の雨女 15◎1
おでん屋のいっときふれるミワロック 8◎2
分け前は二の次ダクト行く霜夜 7
君の名をちくまの月に問う寒暮 2


【まこた(真)macota0816】9◎1
氷上を滑る朝日と子等の声 6◎1
マフラーの模様数えて待ってます 3
腹重い思いを覚り悟って欲しい


【まる子(子)marco_nandeshow】88◎6×10
月氷る夜をながめつ窓辺でくるまり 2
着膨れて待つ襟元の縞模様 5◎1
走り来る友の膝切る鎌鼬 13◎2
一月や遠くの山の澄みわたる 1
元気よく返事したのが初夢か 14◎1
ノルマなのドーナツ三個朝食に
街あるきおでんも缶にはいりけり 4
より分けて歳の数だけ豆たべる 1
つづき待つグリーンマイルの6ヶ月
布団はぐまるまる背中足で押す 2×1
しましまや痒い手首ゴムのあと -2×4
泣く女ピカソみたいな顔してる 7◎1×1
ぎゅぎゅぎゅっと絞って若布と鉢に盛る 3×1
春めいて右手が君の頬触れる -1×1
春眠しモーター音さえここちよく 1×2
子が叩く太鼓の音や燕来る 9
旅の本付箋貼り付け薄暑かな 10
ガラス越し光のマケット春の雨 2
秋うらら鍵はあそこへ置きました 9
サフランや瓶のすき間で目が合った 4
山影のすこし濃くなる稲妻や 4◎1


【甘噛(噛)martan1107】113◎17×6
舌先に氷ぶらさげ子が笑う 6◎1
乱酔の罪深き痕水玉模様 3
井戸のなか皿を一枚投げ入れる 7◎2
初凪や小石水面に咲かす花 4
手を繋ぎ同じ初夢みに行こう 2
あいつだよ町を救ったヒーローは 8◎2
おでん屋の女将こひしや濡れた足 14◎3
春待ちて繋いだ手解く分岐点 4
漱石を供に倫敦冬鴉 10◎3
濡れ和紙や布団の上下止まり闇 4×1
菜飯炊く女房髪に白い縞 11◎4×2
白き皿タワシにレタス添え夕餉 5◎1×2
ひらりゆらり気泡に煽られ舞う若布 2
右肩に仔猫を乗せてテトと云う 2×1
アイエイチ意味知らぬまま炊く米ぞ 6
琉球のガラスの厚み星涼し 12◎1
硝酸の舌下吸収薄暑光 5
惜春や黒鍵だけで弾ける曲 8


【幽樂坊(幽)microstory】172◎18×8
長嶋を氷づけにせよ監視員 2
蔦模様きちがひの棲む冬ホテル 18◎3
置き去りの百目溢るるホームかな 15◎2
隣人の事情聴取や初句会 5
初夢や致死量12ミリグラム 10◎2
この味はよもや魚肉かウォール街 6
風船やおでんが嫌いになる魔法 4
凍月や切り分けられてゆく私 27◎5
光文社古典新訳文庫かな 2
爆音をたてて去りゆく蒲団かな 16◎1×1
春日影けものに縞を刻印す 4
春眠し二十歳の俺を言ひ負かす 5◎1
若布食ふ兄嫁やがて乾ききる 7◎2
右頬を差し出してゐる春愁 5◎1
畏れなき電子レンジや染卵 1
テルミンの輪郭淡き五月闇 7
初夏のガラス破りて兄帰る 16◎1
恋文の矢あやまたず薄暑光 2
置くだけで充電できる仏かな 12
いなづまでどの住職を殺さうか 8
ぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺぺをみなえし -5×7


【ミホノフ(穂)mihonov】43◎6×3
おでんアリしばらく帰りません母 21◎4
五分五分の決着つける空っ風
新潮が並んだあたり爪研ぎ場 12◎2
午前四時しれっと蒲団奪われる 5×1
縞柄の幕どこからか卒業式 4×1
聞きたいのならゆうてやる鬼は外 1×1


【藤幹子(幹)mikikofuji】112◎21×6
先生のおでんはおやつに入りません 1
雨ひと日湯呑みに分けし卵酒 2
感冒や指栞して廁まで 29◎7
蒲団よりえなりかずきの顔出づる 0×1
鳥雲にミルクレープは縞々に 6◎1×1
春の陽の擬音どほりに殴りけり 13◎3×2
点鼻薬しゆるしゆる若布戻る水 4◎1
花いちご右手は海の道ぞひに 6◎1
げんげ田へつまみを回すテレビかな 3◎1×1
カツレツをさくりと分ける薄暑光 29◎6
マリンバのやうに味はふ草餅は 7◎1×1
鳥の恋硝子の輿の通り過ぐ 2
輪を置けば教室となり天の川 3
五勝手屋羊羹稲妻ぎつと断つ 5
胡桃割るたちまちオズへ続く道 2


【鯖好き夫(鯖)Misoniu】191◎31×13
色悪や良い氷とか言いにけり 7◎1
わからない土産にわからない模様 32◎8
小さめの大入道だよあれは 17◎6
冬ざれや三つ数へて引き鉄を 8
初夢の故郷おぼろ女衒宿 1
残り火や二つ名付きて年を越し 1
わたしこのおでんみたいなかて黙れ 6◎1
分銅の震え収むや寅彦忌 18◎4
どうせなら文庫貫く弾丸で 8◎3
掛け布団越しに曖昧なる獣 17◎2×1
すれ違う度の干渉縞や冬の首都 -3×5
憤る資格のありや犬洗う 19◎1
もうワカメ食べられないよムニャリムニャリ -4×5
振るために右手を出したはずだった 6◎1×1
パンを焼くときは目盛りを少し右 3◎1
夕涼や硝子戸閉めて螺子の鍵 10
四つ辻の魔出払っており薄暑 9◎1
夏闇に臥して唯ハモニカの味 20◎1
稲妻だなんてウソでしょ知ってるの
夜毎来て団栗置いていく女 17◎1
栗ごはんマガジン九月号を買う -1×1


【みつん(光)mittsun_nande】168◎18×3
くすりゆびやがて氷の張る池に 4
はらり落つみぞれ染み込む水玉模様 5
冬晴るる一反木綿ひるがえり 13◎3
沈黙や虚空切り裂く寒鴉 4
初夢を貘に喰はせて猫の爪 3
日記買ふ原子力空母停泊す 12◎1
熟慮しておでんの煮える音しづか 15◎1
砂嵐黙って蜜柑の小房分け 18◎3
文庫持ってロマンスカーで行きましょか 1
遠吠えや蒲団かぶりて自戒する 3×1
大理石縞なぞる指春近し 3
狼藉者目を見ずに噛む炉端漬け
訃報あり煮過ぎたわかめ味噌に浮き 12◎1
春雷や右手に文庫左に君 -1×2
吸引音白きかかとを眺め春 12◎2
春の蝿四方ガラスの昇降機 11
あんぱんのつや並びたる薄暑かな 23◎2
木琴にばちをすべらし春の暮れ 2
柚子の皮貝をあやめた手で削る 13◎1
稲妻や東急ハンズでネジを買う 2
嫁ぐ人ゆきて箸置き余り秋 13◎4


【なご(和)nagosumire】53◎3×4
郷の味、語り合いつつ減るおでん 3◎1
体温を分け合い眠る猫と我 5
我が輩も猫であればとこたつにて 6
団子より恋より何より羽根蒲団 1
しましまのしっぽ天指し蝶とまれ 0×2
チョコレイト投げつけ苦い指の我
若布などずつと嫌ひと妻が言ふ 6
右前の家のミモザよさようなら 6◎1×1
なあルンバ君はアトムの祖先かい 4◎1×1
流れ行く九番目の雲薄暑かな 4
花疲れ遠くのピアノソナタ消え 4
きゆきゆと鳴らす硝子や風薫る 4
「別れましょ」りんごうさぎをことり置く 4
午前2時きんもくせいを一握り 2
稲妻をしらんぷりして飯喰らう 2


【波平(波)namihey0328】242◎37×9
初氷ぱりりと踏みて朝帰り 21◎2
マフラーの模様憎らし口喧嘩 17◎4
妖怪と妖怪抱き合っても寒し 11◎3
耳鳴りや冬の自転車強く漕ぐ 20◎3
すぐ聞かせたき初夢やまた眠る 13◎1
冬トンネル抜ければ光ハワイかな 1
生き延びてあたためなおすおでんかな 19◎3
言い分のありてシンクに白き葱 23◎4
終電車コートのポケットには「こころ」 2
蒲団干すための蒲団を出でられぬ 0×2
春風に縞の靴下合わせをり 16◎4
残雪や傷つき傷つける私 -1×3
亡骸も若布も同じ海に在り 15◎4×2
落椿指輪右手に付け替へり 5◎1
受難節ミキサー何もかも砕く 9◎1
ガラス瓶つぎつぎ回収されて夏 12
心療内科にぎわつて薄暑かな 11◎1
木下闇その他はリコーダーを吹く 12◎3
手は膝の上に置くなり栗御飯 11◎1
秋うららやがて崩れるオムライス 13◎1×1
稲妻や女つぎつぎ孕みをり 12◎2×1


【平ん(平)nande_daira】55◎9×9
余所見するしゃらくさいおでん冷えはじむ 1
分度器で測る行く末卒業 1
鏡文字細雪かしら夜の車窓 9◎3
童貞が固い蒲団で毒を吐く 7
春遠き普天間星と縞揺れる 2×1
落日やサルルンカムイの痴話喧嘩 2
淋しさや豆腐にワカメ貼つてみる 12◎4
佐保姫も初心ね右ワキ処理甘し -2×5
春昼や吸引力の落ちぬ妻 0×2
ガラスペンの線そのままに吹流し 6
この世からあたたか〜いが消え薄暑 4×1
調律師呼び武者人形出して待つ 13◎2


【かとちえ(千)nande_katochie】145◎29×18 *第五回正選王*
寄せ鍋や怒るタイミングを逃す 17◎1
初夢といえども夢の話禁止 4◎1
NYの冬がつらくてDJ帰国 4
おでん食べたい君に会いたくなくない 3
分けないであなたが持っていて浅蜊 23◎3
なつのひかり80ページのような笑い 3◎1
卵恋背嘘布団で育てたもの -5◎2×10
縦縞の手品みたいに春の恋 8◎2
ふははははお前も橇にしてやろうか -2×4
責められてワカメになっていく三時 15◎3×2
春はいま右へと通り過ぎました 15◎1×1
炊飯器持って駆けたいほどに春 41◎14
西瓜より硝子割りたい二十代
接続詞ばかりが積もりゆく薄暑 15◎1
黒鍵を叩いて春を見送った 4×1


マオリ(森)nande_maori】84◎8×3
人肌の恋し氷を口うつし 2
セーターの波打つ模様に胸はなり 3◎1
寒泳の一反木綿が舞いをどり 1
初空や歯軋りきしり耳をかみ
初夢や見そめし人の鐘をつく 7◎1
初春や全米泣いたとはしゃぐ子ら 6
おでんだしからしいろまじりあひし黄身 7◎1
分度器に三角定規かさね雪 2
吊革と眉とスピンゆれて雪国 4◎1
抱きよせて吾を放さぬ布団かな 1×2
縦縞の彼寝ころびて下萌ゆる 3◎1
妻チェーン越しに笑みたり冴返る 11◎1×1
湯気立ちて昆布と若布黙礼す 2◎1
コストナー右回転し春来る 6◎1
美顔器に積もる埃や初蝶来 8
ガラス棒濡れ所在なし月下美人 2
禊する匙やカレー薫る薄暑 6
ハイハット発射秒読みする夏野 3
ここ行くの気圧配置図指す雨月 2
点字なき道行く人や秋うらら 1
稲妻や女の膝を撫でてをり 7


【酒井(酒)nande_shosakai】120◎17×4
うしろ襟に氷すべらせ笑いをり 2
往来の外套なべて模様無く 19◎2
鰭酒や酒呑童子となりにける 2
早々にまどろむ人や年始酒 5◎1
Tシャツの島人居たり初夢か
賀状書きくコーヒーのうすさかな (※「く」はくの字点) 9◎2
悪童の笑み晴れ晴れと串おでん 13◎1
分銅のむんずと凍てて1グラム 1
初不動見違える娘の手にカフカ 13◎3
かりそめや丈の足りない羽根布団 4
横縞やパットメセニー亀鳴かす 6
組み合ったまま転がって春の雪 12◎2×1
若い布と書いて若布や露たたへ
雀右衛門黄泉の桜に舞ひをるや 6◎1
鯥五郎ベッドの下の埃食む 3◎3×3
濁り鮒の目にも硝子体こそあれ 2
グラウンドにホルン響いて薄暑かな 1
春雷に裂けたるウッドベースかな 3
方陣描く鬼灯をそこへ置く 5
雨月かな吾を通り過ぐ総武線 2
いなづまや目無きだるまの目の虚ろ 12◎2


【凡コバ夫(凡)nande_show】209◎28×5 *第一回正選王*
外灯や氷踏むときだけ黙る 33◎6
丼の底は模様や冬の昼 8◎3
猫又と気付かれなくて丸くなる 21◎3
大喧嘩の後の眉間や鏡餅 5◎1
おじさんの地味な初夢ちゃんこ鍋 5
ギターよりバンジョー軽し松の内 11◎3
おでんになる前の大根も好きでした 14◎2
分度器もち測るものなし初時雨 3
歩きそうな文庫の上の小石かな 10◎1
どの家も布団ばさみのバネ強し 21◎3×1
弾む前のスーパーボールの縞寒し 5
空風やだんまりと決めノブまわす 10
底にワカメなにもかもうまくいきます 3◎1×3
恋に解なし右に回すんだっけ螺子 15◎3
ビデオデッキの真実の口春浅し 6×1
叱る人の二の腕うつくしき薄暑 22◎2
板ガラス運ぶ軍手や初夏の街 11
抱きつけぬコントラバスや春終る 6


【ちよ(地)nandeshow_m】114◎13×5
初氷踏み踏み歩けランドセル 10◎2
らしくない模様の服を買ってみる 9◎1
真夜中の散歩の供にぬっぺほふ 7◎1
仏壇や鏡餅までほどこされ 1
初夢を見のがし昼寝うとうとと 1
シアトルにいます色々ありました 19◎4
とりあえずビールおでんは大根を 4
三姉妹ケーキ見事に分割す 10◎1
花柄の書皮掛けられし蟹工船 18◎1
独り寝や羽毛布団の頼りなさ 8◎1×1
朝焼けのゲレンデ飾るよろけ縞 3×1
男ってバカよ二個目のみかん剥く 16◎1×1
マーチングバンドベルリラ眩しけり 5◎1
ぬぐえどもガラスクルーの跡残る 2×1
22℃からを薄暑の目安とす 1×1


【舘ざんす(舘)nande_zansu】76◎6×3
氷踏む子のまわりには白けむり 6◎2
針を刺し模様熱持つクリスマス 4◎1
冬銀河乗っているのは提灯小僧か
おでん鍋湯気の向こう握り箸 4
聞き分けの無い女指に皸 4
朝焚火彼の文庫本燃えろ燃えろ 8
由紀さおり流るる昼餉蒲団敷く 9◎2
横縞と縦縞まぐわう猫の恋 3◎1×2
ルノアールにて押印を迫る君 16
姑や若布の塩抜き忘れおり 3
右車線陽炎を踏むデモ行進 5
洗濯機の渦に乗りたる土筆かな 7×1
赤い羽根胸に置きたるぎこちなく 1
稲妻の走る街急くルブタンで 3
流れたる雲の高さや柿紅葉 1


【寝る子(寝)neru_ko】130◎19×2
窓閉めて星空ごと氷になれ 6◎1
風吹けば銀杏落葉の模様かな
外套脱ぎ捨て酒呑童子の頬さわる 3◎1
太箸や名も知らぬ人家族となり 17◎1
初夢と二度目の間毛布足す 17◎3
悪い子はハンバーガーに挟んでやる 7◎1
楽園に蒲団屋のある訳を聞き 11
薄氷や裏地の縞の飽きる頃 15◎1×1
白梅や先に謝るべきでしょう 30◎7
湯気に消ゆ乾燥わかめひとつまみ 3
草萌ゆる上り列車は右が吉 11◎3
春塵や各社共通紙パック 10◎1×1


【麻衣子(麻)n_maikom】65◎5×6
ベル遠しふとんおばけも許したり
虎縞の腕刈りて明日はいざ春 1
さびしいを使えば四字で済む文句 18◎2×1
家々に若布めぐりて里知らす 5
下萌やいずれお前の右に出る 9
液晶に容れて持ち寄る桜かな 15◎2×1
洗車機がガラスを破るかもしれぬ 3×1
うめいたのはおれかテルミン春病 4
青い方のボタン押して薄暑知る -1×1
たくさんの遺書や稲妻ひかりあつめて -1×1
一葉落ついつも箸置使う家? -1×1
稲の波おもいおもいに息を吸う 13◎1


【二羽剣(剣)nwkn2】50◎7×20
氷りたる川面の下に溺れる子 5
雪時雨死刑中止になる模様 13◎1
くしゃみして振り向くゾンビのシャツに縞 8◎2
死ねっ死ねしねしねしねと蒲団打つ 0×6
春や昔フリッパーズの縞と縞 8◎2
いま姉を殺りにゆきますバレンタイン -2◎1×6
美人海女殺しの凶器初わかめ 1×3
三月の右乳ばかり吸う子供 5×1
あたたかやルンバのほかはみな眠る 9◎1
ギブソンに埃がつもり春惜しむ 2
春ねむい硝子がすべる首落ちる 2×1
バス停で透けブラ盗み見る薄暑 -1×3


【オカヤ(茅)okayaizumi】121◎18
氷用絵の具ってなに透けてるの 4◎1
模様過多元日にだけ叔母と会う 16◎3
冬空に一反木綿反射光
冬晴や効き目の長い風邪薬 13
初夢の報告はまだパンか餅 8◎1
ハグは嫌紙箱入りの中華麺 3
丸いものばかりのおでん生返事 14◎1
空風やヒヨコ分け終え小便す 14◎4
春まだき8行分を乗り過ごす 26◎3
薄明かりひとの匂いの蒲団部屋 14◎3
冴返る水平線と縞のシャツ 3
春色のかかとの音や鼻血跡 6◎2


【オシツオサレツ(ツ)OsituOsaretu】23◎6
初氷百人乗っても大丈夫 13◎4
広げたらどんな模様の恋かしら 5◎1
口裂けの娘も呼ぼうクリスマス 5◎1


【紀野珍(珍)quino_chin_sub】177◎26×4
手のひらにいのち閉じこめ氷面鏡 3◎1
重ね着と目じりにかくすうら模様 1
ろくろつ首そのセーターを脱がすのは 6
元旦やにきび弄りはてリモコンは 3
初夢とあたしどっちがだいじなの 11◎1
マフラーを解く眉きりりフーターズ 11◎2
さまざまにくち開けしむるおでんかな 20◎5
大寒や分母三百六十六 15◎3
ケツポケにあるは安吾か探梅行 3
乱れなき蒲団の下に乳さぐる 5×1
文字列が縞と見えたり春の雨 14◎1×1
壁を背に窮鼠ならざる鼠は笑む 3
わかめ吸ふときは多めに汁を吸ふ 14◎3
11の右に読点打ちて、春 4◎1×1
掃除機の尻嗅ぐパグの尻や春 13◎2×1
彫り深き老婆ガム噛む薄暑かな 12◎2
硝子戸に映る尿(しと)の弧修司の忌 5
空壜をぼおと震はせ夏来る 15◎2
稲妻のあとに湿布のにほひける 10◎2
深読みを強いる静寂(しじま)やレモン噛む 2
置いた螺子の器用にまはる夜半の秋 7◎1


【ジョシュー(助)quruquruquru】40◎4×9
氷とは幸せの熱で固まる 1
雪の模様発見したのは物理学 6◎1
にんにくを食べない君にドラキュラを
桜散る初夏を知らぬや黄色い葉 3◎1
初夢がみる初夢はチョモランマ 2
元旦のタイムズスクエア白い息 5◎1
空蒲団妻の匂いが残りをり
恋猫や雄に気高き化膿あり
鳥帰る海兵隊の縞は青
母老いぬ若芽の汁の味薄し 1◎1×5
右手にはぼんやりとパリ花ぐもり 5
春日にて傷目立ちたり黒電話 2×3
ファンファーレ鳴りぬ日傘を買いにゆく 10
窓ガラス割れて夕蝉泣き止みぬ 3×1
乳飲み子が泣きたる車内薄暑かな 2


【箱(は)rinderon】7
おでんたち味染み待ってたらもうない 1
3分でできる人いるのその料理 1
書棚にて太宰の隣にエロマンガ 5


【まへ(屁)ringelnatz2】34◎3×10
セーターや 重ね着の稚児 毛糸玉 4
三なすび 食べた初夢 麻婆で 5◎1
うす味の 母の味噌汁 アメリカン 5
おでんだろ君どこからか嗅ぎつけて 9◎1
飛ばぬ鳩ここが進化の分かれ目か 9◎1
一面の菜の花畑レクラムの表紙 2
敷きっぱのふとん寝そべりパンを食ふ -2×3
ミノギアラ親父シマチョウもう一丁 -2×3
バカガイのようだと兄になにごとか 0×1
舌入れりゃ加速装置のある奥歯 2
信号の黄色は赤に変わるのみ 3×1
稲妻のような女を歌うヒゲ -1×2


【るいべえ(る)ruibee】190◎31×4
信濃かの湖の結氷す 2
盤上の模様まぎれて大晦日 10◎1
年老いた座敷わらしと餅を食う 10◎1
凍て星やグラス倒立して雫 12◎2
初夢に眼鏡忘れて来たりけり 29◎6
金管と姦淫そしてコーラ飲む 5
深宇宙サービスエリアのおでんかな 4
初雪や今晩分電盤本番 3
先生とハヤカワ貸し合う冬休み 20◎2
曙の布団干すなり冬日和 2◎1×1
縞馬は枯野を渡る西へ西へ 3
バレンタインまでが期限だ降伏せよ 3◎1×1
みそ汁のわかめのどこか異形なる 8◎2×1
薊咲くあたりが仮の右中間 31◎12
東風吹いて島の午前のラジオかな 19◎3
ガラス割れて春光なんて入ってやしない 2
町一番高き処へ薄暑の日 11
ディジュリドゥを吹き平原の野火を恋う 4
稲妻の朝や卵を割りにけり 0×1
つまづきてレモン転げる夜の坂 2
ぼろぼろのベンツ花野に置いてある 10


【はやし(林)ruska_kukka】160◎26×3 *第七回正選王*
よく眠る祖母やくずれる雪の音 28◎5
初夢やつつじの蜜を吸うており 11◎1
インディアン海馬の底の母音かな 7◎3
まるさんかくしかくがやがやおでんかな 5◎1
弟の分度器すこし春めけり 9◎1
底冷えの腑や美しいアナベル・リイ 14◎3
布団かぶってもはねのけても無明 9
等高線の縞さざめかせ春の風 6◎1×1
金鳳花痴情のもつれと囁きぬ 5◎1×1
水面の月に触れたき若布かな 17◎1×1
春山に踏み迷いけり右大臣 6◎1
絨毯の放熱だけの春の宵 6◎1
蜜林檎ひかり充つれば痛からん 6
稲妻や身に隠すもの透かさるる 5
置くときもすこし鳴きけり鳩時計 26◎7


【サトミ(里)sat_mi】47◎3
氷の手はあと息吐く通学路 1
クリスマス模様の包みをそっと置く 1
ねんまつだまっくろくろすけおいはらえ 4◎1
ふるさとやほんまに喪中の正月か 8
初夢や言い訳ばかり思いつく 7
SPF50を二度塗る冬のグアム 5
汁のみの四日目おでんにうどん入れ
肉まんを半分に割る美術室 20◎2
仰向けで蒲団かぶって読める本 1


【碍子(碍)seitr】178◎25×4 *第四回正選王*
初空や大平洋に達磨浮かぶ 3
初夢の色は何色あたしは黒 10◎2
ダッシュボードに拳銃か冬薔薇か 18◎3
金貸しのおでんちくわぶばかりなり 11◎1
分子には雪分母には富山湾 19◎3
狐火や胸の谷間に『罪と罰』 7
真夜中に武者が布団を踏みにくる 11◎1
スキー部のジャージの縞が多すぎる 11◎3
寒月や殴る一瞬だけ触れる 34◎8
思春期の人魚のリボンみな若布 7◎2×1
春の野に新右衛門さん転びたる 7
荷風忌やアナログテレビまだ映る 7◎1
メーデーや防弾ガラス越しのキス 3×1
刺青のヴィオラ爪弾く春の夜 4×1
茶道部の朝はコーヒー薄暑かな 5×1
拳銃を置いて廻しを締めたまへ 3
稲妻や門に表札多すぎる 6
秋祭ひよこがみんな脱走す 12◎1


【白豆(白)shiromame】178◎24×4
反論を言いたくなくて氷噛む 17◎3
霜花の模様の話できるひと 1
雪女こっそりビキニ買ってある 10
門松やトキを思ひて初涙 1
初夢の責任重く泣く枕 9◎3
ジム・ヘンソンじっと見つめる鏡餅 8◎2
こっそりとおでん占いしてたんよ 12
水分子みたいなソファで待たされる 17◎1
本読まぬ母の三冊細雪 14◎2
これがこの国の布団ね美しい 21◎5
二本から縞と云うなら空に縞 17◎4×1
探りつつ語尾をだんだん悪くする 6◎1×2
若布だけ自由に泳ぐ椀二つ 6
右と言う手には箸の朧かな 1×1
チャンネルの仇敵の注ぐ春の酒 5◎1
薄暑来て本閉じたまま手紙書く 3
角丸のガラス見つけた蝸牛 1
夏めくや笛の半音うまくなる 8
稲妻に憧れており深海魚 8◎1
森永のミルクキャラメル夜長かな 6◎1
待宵や置傘に名を付けてみる 7


【小嶋智(智)skoji】36◎4
玉子だけそういうおでんかそうなのか 4
分銅に指紋の脂何グラム 2
雪明かりベンチで凍っている文庫 6
椅子布団マリー=キュリーになれはせず 5◎1
冬ごもり群れて絡まる縞の蛇 11◎1
小春日や対峙する尾のふくらめり 8◎2


【炭余分(炭)suminobunn】100◎11×4
アンペアを超した夜窓に氷柱立つ 5
朝霜や液晶画面の虹模様 9
河川敷ホワイトアウト鬼火出づ 1
甥っ子や君へ伝へる事はなし 7◎1
山手線どこで見たのだ初夢は 13◎2
ニューヨーク同じ緯度ですそうですか 4
麦酒箸ツナ片付けりおでん噛む
寒空や渋谷へ響く四分休符 10◎3
茶けた背の青背読みけり黒ジャンパー 1
主の居ぬ蒲団を思ふ佐渡ヶ島 5
縞柄のネクタイ長し新成人 7
知るか馬鹿放った晩の鱒の顔 5◎1
狐狸庵やワカメスープもワカメ過多 1
右の眼を欠いた親猫伸びる午後 7◎2
小春日や明日はテレビも届くかな 1◎1×3
地球にてガラスは蜘蛛の糸となり 2
コントラバスタングステン製エンドピン 3×1
通話先こことは違う薄暑かな 6◎1
相撲からニュースに移る箸を置く 1
暗記法思い出したる月見かな 3
稲妻や先輩はまだ起きている 9


【トモサダ(友)tadanoomosa】130◎19×3
軽装で氷上に立つ四人組 18◎5
ひらがなが模様のようにみえた頃 18◎2
風花やのっぺらぼうが三人目 7◎1
初富士や河原は永く緑なる
初夢やオランダ南部の舟動く 7◎1
馬鈴薯に贋金挟むや冬の小屋 8◎3
袋あけてぼとりぼとりのおでんかな 12◎1
ストーブの音分銅の薄きかな 7◎1
寄せ鍋や父の文庫の小さき字 19◎2
西向きの部屋は慌てて布団干す
地図に縞春の招待状来たり 6◎1×1
みな耳をふさぐ喧嘩や春寒し 2
わかめだけすくって椀を戻す人 4◎1
ひとまずは右に除けたり春大根 11
春の昼ねむい毛玉取り器うるさい 3×2
硝子戸をことごとく閉め夏の夜 3◎1
パラパラのチャーハン出され薄暑かな 3
麦の秋リコーダーだけ吹ける人 4


よもぎ(蓬)tammythehermit】140◎21×3
仏人のひそむる息や初氷 3
冬研究棟ナノメートルの模様編み 5◎1
ぬりかべの照らしかへしや冬夕焼 7
煤掃や薬指のみ祖父に似る 18◎5
初夢のバンドやベース見覚えなし 5
にわとりを一羽づつ食ふ聖夜かな 9◎1
ほしいまま白とグレーをおでん鍋 1
分度器に傷のいろいろ春近し 14◎1
雪晴れやボックス席に伏す「大地」 14◎2
蒲団より矢放つタクラマカンまで 5◎1×1
降りしきる雪や湯呑みのよろけ縞 15◎2
だからそれはと吠えたとき蜜柑届く 6×1
持ちかける旅行のはなし新若布 20◎6
右袖をまくりて春の日射しかな 2
ココマデの線ひたひたに水の春 16◎2×1


【崖元(崖)teshima_tbiz】107◎17 *第三回正選王*
ドラキュラの氷柱紫青緑 3
少年の模様破れて冬の虹 6
ぬらりひょんらかためてあげた冬うらら 1
初雪やアイロンかける黒い指 9◎1
初夢のヒヨコの成長早すぎる 13◎3
雪眼鏡タイプライター叩くかな 4
父さんの無罪判決おでん食ふ 24◎5
牡蠣を割る分厚き唇の男 22◎4
ポケットのポルノ小説どぢやう掘る 13◎2
太陽の匂ひ少なき布団かな 3
短足の縞馬連れて冬の虹 6◎1
証拠など要らぬ女ぞ虎落笛 3◎1


【メタル彗星(彗)toriaezu_pixy】36◎1
氷上のクレパスはまるペンギンくん 4◎1
雪降りし子供遊びてまだら模様 3
しゃぶしゃぶを口さけ女そんな食う 7
ドンジャラやこたつ使いし涙飲み 1
初夢に去年の始末書顔浮かび 3
ロッキー見慣れぬ靴はき息白し 1
おでん食べからし付けぬと口喧嘩 5
節分に米寿以上に子らは食べ 1
トルストイ冬の長夜になえて閉じ 6
ガラス窓薄く写りし若葉色
ピアニカに手足一緒の入学式 1
手を握り無言で汗ばむ薄暑かな 4


【十猪(猪)toshiozawa】113◎12×7
おでん炊く冷えきるまでに好きと言へ 13◎1
新巻の分際でちと頭が高い 5
文庫本伏して凍蝶動かざる 16◎1
干蒲団乱れ打ちする団地かな 4
シマウマの縞の消えゆく牡丹雪 7◎1
鉄拳や顔縞にして伏す蒲団 -1×4
ひととせを漂ふばかり若布かな 10◎3
チューリップ右頬だけの笑窪かな 6
卒業の朝電子レンジは静か 15◎3
物置に核爆弾のある薄暑 7◎1×1
潮騒と合はせ夏めくサキソフォン 7
風薫るパントマイムの窓硝子 13◎1
秋冷を混ぜ卵掛け御飯かな 7◎2×1
稲妻に虚飾落さる都会かな 1
頬杖の位置定まらず秋思かな 3×1


朝顔(朝)trefle2】41◎3×18
貧血のサインの掲示に「氷食う」
模様なしばかりを乞うた年長さん 8◎1
ディズニーの人魚は陽の造形か 2
方言や非難のオトココトバなし 4
初夢で旧友たちがみな同窓 1
オーッイエスイエェェッス!ノーはほんとにノーだから 6
おでんには甘い具ないよと姪に言い 6
各人の分岐綾なし今日が来る 3
「自炊」するキミにはあの日の『キッチン』を 2
ふとんよしさんてんとうりつじいじみて 0×4
父帰る四半世紀の縞の傘 8◎1×1
何時からか思想へ優劣禁忌化し -4×4
エアポートワカメ捨て泣く女子四人 0◎1×3
右だけ度ワタシ前から知ってたわ -2×2
乾け染み彼が来るまであと二分 0◎1×3
らっぱぷぅさんぽの犬がたけき顔 2×1
嘆息すガラスと規格あな文明 -1×1
薄暑なり街にはドロップおどりたり 3
put it here 緑の目へ置く視線とは
稲妻が寄り添ってくれ孤独消え 3
「きんいろ」より黄色もちいるべし塗り絵


【かぎ(鍵)troookie】4×1
テレビ上置き時計なし初嵐
あみだくじの中に現る小稲妻 2
女子高生1万人が叫ぶ秋 2×1

【鶴谷(鶴)tsurutani】160◎27×5
お尻の下氷の足をいれていい? 9◎1
模様から模様へ跳んだ靴のつめたき 5
百目より隠れて潤む毛布かな 7◎2
凧上げや遠いツェルニーだけが音 25◎7
初夢の散らかった部屋に漂へり 3
吠え止みてペンシルヴェニア冬のなか 9◎1
鍋の底おでん微かに揺れ鳥目 7◎2
地吹雪や卵とバター分裂す 6
電車混み文庫を拾う見知らぬ手 5
我を只綿の布団と思へ君 22◎5
雪どけや残像の縞のぼつてゆく 1
しゃらくさい死ねばいいのに春隣 2◎1×2
淋しさやわかめスープの長い匙 16◎2
二重跳び右へ右へと春の宵 29◎6
充電器にもテレビにも春光線 -1×2
ガラス千枚集まって海になる 15◎1
水に脛流す浴室薄暑かな 1
石段をのぼる背中にトレモロする -1×1


有理数(数)ulysses459】82◎11×12
氷など見たこと無いと拗ねる父 9
開かれた魚が描く血の模様 2
約束を強いて俯く雪女 14◎3
はんぺんはおでんにいれちゃいけないの
分かち合う想い根雪のごとくなり 3
山眠る猫は文庫を枕にし 1
並べたる布団の距離や意気地なし 12◎1×1
粋な縞オカピに逢いに行く彼岸 3◎1×1
ブランコに不穏な二人漕ぎもせず 10◎2×2
若布はな侵略種だと力説す 6×1
無計画右往左往の伊勢参り -1×4
電源を入れずにぬくい春炬燵 0×2
女王蜂ガラスの眼をし子らを産む 13◎3
御目見得やウクレレを弾く浮かれ者
薄暑にて丈十分から引く三分 4×1
台風に負けぬイエローサブマリン 3◎1
糸瓜忌に置き去られたる句集読む 1
稲妻や懺悔の声を聴きました 2


【うめはる(うめ)ume_nanminchamp】
八時五分旦那好きなの?ひきわり納豆


【裏表(裏)uramotomaru】60◎8
氷噛む昨日の空気の味がする 20◎5
そのマフラー飼ってた猫と同じ模様 7
実は彼ぬらりひょんかもしれないの 12◎1
初春や在るものすべてきらきらし 2
初夢の茄子を焼きつけぢゅっと吸う 12◎1
ガムスケボーセントラルパーク白い息 7◎1


【少佐仮面(少)vmsawrs303e】43◎4×6
窓氷りハンドル擦りて帰れない
くちづけてマーブル模様ラテアート 6◎1
朝寝坊焦る足下すねこすり 6
四日市工業地帯や今レジャー 3
初夢を宴に浮かれうっちゃって
全米でナンバーワンは初動だけ 1
顕現す新天地かな敷布団 9◎1
煙突や陽炎ゆらぎ縞となり 3◎1×1
ごまかしがバレてタイヘン申告制 1
ワカメ待つカップの底にて復活を 0×2
交差点右へ曲がるの声は無く
夜更けへのラジオとともに猫さかる 3
夏暁やガラスいちまい隔てカブ 6
遊興に袖有無迷う薄暑かな
門外漢惑うスイッチ群シンセ -1×2
休暇果つたくあんしょっぱい身に沁みる 2◎1×1

くたびれてきちきちばつた置き土産 3
桃色の稲妻線香花火かな 1


【渡邉朧(朧)watakasu】99◎11×5
金魚ごと氷る火鉢に手をかざし 9◎1
雨の模様みぞれの模様おじぎして 2
のっぺらぼう表情読んで「微妙かな」 8◎2
歳晩やマンホール蓋の危なきを 7◎2
今日の日に見れば初夢見ねば夢 3◎1
右に炎左に板持つフランス人 2
21世紀はトマトおでんになりにけり 2
小春日や分厚いトーストゆびで押す 16◎2
レモンエロウ題名ままの表紙かな 2
蒲団干し死に損ないの二十四年 4◎1×1
春日傘オカピ模様を縞として
黙れば大田螺みたいな顔だな 6◎2
もどさない若布やプラスチック片 3×1
春の酒ならんで右にあたるひじ 5×1
ついたてのごとき52インチかな 7×1
波硝子の一枚ない戸青嵐 3
昼起きてキャッチボールの薄暑かな 10
三角の切れ目が放つ高い音 2
銀杏黄葉のぎっしり指定ゴミ袋 3
置き引きをしても虚しい星月夜 4×1
稲妻の吸い込まれたる女学生 1


【レゴ黒木(黒)whalitc】120◎14×4
氷上でホバリングする第一歩 2
警告の模様を真似て毛糸編む 3
去年今年練り塗り壁に塗り込めり 2
春待つや木遁の術敗れたり 8◎2
初夢を身振り手振りで亀に説く 15◎3
蕩尽の渡米前夜や冬座敷 5
深海に潜むものなりおでん鍋 5
言い分があるならば聞く玉子酒 14◎2
上巻を入れて下巻を出す鞄 19◎4
真ん中に蒲団敷かれて寄る辺なし 5◎1
縞馬の白のあたりが冴え返る 9◎2
言い負けて悔しかりけり春の服 1
シャラリラと乾燥ワカメ鳴らしをり 5
茂吉忌の送球逸れて右に落つ 2×1
レンジから蝶が生れる思考実験 1×3
青嵐ギター手にする素振りなく 3
夏帽子フロントガラス越しに振る 3
濁点を付けて呼ばるる薄暑かな 4
稲妻や棚卸する女の手 11◎1
戴いた蘭の置きどころに悩む 2
出勤の司書が踏みをる銀杏の実 1


【yagimeiko (芽)yagimeiko】67◎7×15
朝早く氷の下の鯉静か 6
木漏れ日がキミの頬の上丸模様 2
添い寝する唇紅き雪女郎 1
干し芋や太陽の匂いをまとい照り 4
初夢は霧笛の中を進む船 3
ジェイソンが沈んでいたと脅かされ 1
帰宅して好物のないおでん鍋 12◎3
蝋梅を作り物と言う分からず屋 4
なだれ落つ文庫本踏む去年三月 7◎1
座布団をくるりと返す前座かな 9◎2×1
崖にたつ縞は太古の海の跡 8◎1×2
"Kill me!"は「殺せるものなら、さあ殺せ!」 1×1
柔らかな若布に託し恋歌う 2
一度箸を持つ仕草してから右を指す -4×6
留守電の伝言消して悔やむ春 4×2
老友の死を夢で知る薄暑かな 4
病床のガラスにゆがむ山椒の花 2
ランドセル並び奏でるリコーダー 0×1
床の間の置石に故郷の山思い 1
シトリンを飾った指でげんまんし 0×1
稲妻を見て強いパーマかけに行き 0×1


【雪(雪)yotii23】155◎14×2
朝くもる窓にふれ言う「はつ氷」 1
縞もよう春待つ背に射す日と影と 8◎1
ぬりかべと寄り添い合っていて寒し 5◎1
吾にふれる指の白さや冬の水 10◎1
はつ夢を語りし人の声の夢 6
自由といひ正義といふ国初明かり 8
おでんなら大根ふつうの君がすき 8
分別をなくして泣きたし冬の空 15◎3
手のうちにしなる表紙やわが睦月 6
島さびし蒲団冷たく重い冬 1×2
春光のいくつの波で海の縞
正しさで勝って二月の悔い残す 24◎4
暗がりのお椀にふえてゆくわかめ 8
風光る右目が先きに見えなくなる 8◎1
花白し電気毛布にくるむ夜 2
磨りガラス濡らして春を透かしみる 8
サイレンや追い立てられるごと薄暑 3
音ならぬ白鍵ことりと沈み春 22◎3
踏切のバー上がるまで飛ぶな百舌 8
稲妻や波間に落ちるべく光れ 2
秋晴れや置き去られてる靴の青 2


【尓々(に)yutaponn】42◎1×5
ひとのなりした羽根蒲団凍らせる 2
休日の午後のヨコシマカットソー 1×1
売り言葉放って空し8byte 10◎1
こわいものが増えたボウルに照るわかめ 8
右ねじを説く君の手や試験前 7
昼ごはん合格の鐘背で聞く 1×2
パンまつり揃いの強化ガラスかな 7
鍵盤の上で仔猫になってみる 2
シトラスやにほふ薄暑の更衣室 4×2


【はな(ぱ)0deco】29◎1×2
海中のデータ読み込む若布かな 13
春ショールつなぐ彼女は右が好き 0×1
ステレオのための北窓開けにけり 5◎1
散る花のトライアングルかき回す 1×1
大卒が先に逃げたる夕薄暑 9
誰ですか目貼りとガラス剥いだのは 1


【巴(と)332g】3×2
肌色に稲妻走るオフィスレディ 1
十五夜に届かない手をひざに手を置く 0×2
のみこんでしまったレモン味のあめ 2


【黄犬(黄)44_endo】107◎8×3
舎利となり氷の水へかへる頃 9◎2
エッシャーの模様のあはひ霜雫 2◎1
相老いてコロポックルと待つ聖夜 3
玉砂利をゆく人波や初鴉 11◎1
モノクロの初夢台詞僅かなり 13◎1
アラスカの日輪白く海豹来 2◎1
ラジカン閉館おでん缶開缶す 5
手袋を分かち歩みの合ひにけり 4
初笑ひ文庫の帯に何も彼も 3
羽根蒲団そろそろ黒子おほひけり 3◎1
縦縞のカーテンひらり猫の恋 7
春服の二人振りかへらずにのる 6
目を瞠る魚の隣の若布かな 2
春泥や膝に預けし右の耳 9×1
亀鳴くやファックスが吐き散らす夜半 10◎1
大硝子開けて初音を待ちにけり 3×1
キャンバスの筆は油壺へ薄暑光 3
春雲へ白球ブラスと歓声と 3
行商の秋の荷総武線坐る 6×1
運河行く舟は真中に稲光 2
饐え葡萄置いて記憶の絵続けり 1


【ロケッ子(五)5_rockets】22◎2×4
あゝ薄暑眠り浅き子眉動く 4◎1
絵日傘をかき鳴らし待つ路線バス 4◎1×1
ガラス戸に爪立てるよな苦い蕗 2
あの人の記憶サッサで消すや秋 2×1
同姓のカルテ置かれし秋の暮 5
稲妻や私いま犬臭いでしょ 5×2