第四回【なんでしょう句会】喧嘩評 弐

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163 小春日や対峙する尾のふくらめり    小嶋智 (智)
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廣○【163評】とてもわかりやすい句。猫とはいつてないけど、これはやはり猫の喧嘩ですよね。

ふ○【163評】ふくらんだしっぽの毛が逆光にきらめくように、なんともきらきらした句だなと思います。喧嘩の句でなごんでしまった!

珍◎【163評】季語と「ふくらむ尾」のつき具合が絶妙。梅のつぼみでも入りそうなところに猫の尻尾。春の訪れを予感させる冬の句で、この「季節のグラデ」感はまさにいま詠むべき句。お見事。

凡◎【163評】え。これ猫の句「じゃない」だろう。本当に「みえた」んだよ。対峙する相手の自分どころじゃない立腹が。その尾の軌跡を僕もこれまでにみたことがある気がする。普段、誰もみせてない。でも知ってるよ。

朧○【163評】ふつうに猫で想像。あったかいから喧嘩もするよな。「尾のふくらめり」って私も言いたい。

鯖選外【163評】凡さんの評に心のイイね!ボタンを連打しました。が疑問もあります。この句の中にこれが人間の喧嘩である事を示唆する情報は無いように思うのです。俳句では読む側がその可能性を考えて当然なのか(続く)

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164 春眠し二十歳の俺を言ひ負かす    幽樂坊 (幽)
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酒○【164評】これは悩ましくて、「二十歳の俺を言ひ負かす」がすごくいい。「春眠し」がどうも座りが悪いんだけど、後半の良さを打ち消すほどのキズではない、ということにして、採らせていただきました。

黒○【164評】酒さんと同じく「春眠し」が気にはなるけど、とにかく「二十歳の俺を言ひ負かす」が気に入って○。「二十歳の俺」って自意識過剰ですよキミ、と声をかけてあげたくなる。

炭◎【164評】うたた寝の夢に自分が出てきて、口げんかでもしたんだろう。でも勝ったところで相手は自分(しかも夢の)。そのむなしさが良くて特選に。

波○【164評】二十歳の俺を言ひ負かすというフレーズは良かった。ただ、春眠し、じゃただの夢オチになっちゃう。上五で切ってくれ!そして違う季語にしてくれ!

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165 泣く女ピカソみたいな顔してる    まる子 (子)
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崖○【165評】(素で思ったんだろうなぁ、季語忘れるくらいに・・・と、感じるほど、開けっ広げな句で清々しかった。2句紹介。少年ありピカソの青のなかに病む 三橋敏雄 梅雨深しピカソの青き母と子と 飯島晴子)

ふx【165評】個人的にピカソの泣く女は造形として好きではなくて(美しくないから)、この句は醒めた視線が見下している風でとても嫌ですごめんなさい。私もこう思った事はある。でも句にまでして言うのはもっと美しくない

鯖○【165評】「ピカソの泣く女みたいな顔で泣く女」なんでしょうけどそれじゃつまらない。「泣かれて面倒→泣く女ってあったな→てかこいつピカソ自身に似てね!→やべ!クリソツ!」だと勝手に捻じ曲げて並選。

少○【165評】よほど、感情をさらけだしての泣き顔なんだろうなあ。

じ○【165評】見てるほうののひどさに愕然とした句。でも泣いてる人を目の前にすると思考回路があやふやになってしまうこともあるなぁと。

芽◎【165評】何だかもんのすごくヒッドイ(まさか声に出しては言わないですよね)泣いてる女性に対して冷静と言うか冷徹と言うか…こういう人と喧嘩したくない。ので、特選にしました。

光○【165評】これってもう愛想が尽きている人の句なんじゃ…とも思ったんだけど、確かに感情が爆発している人の顔はバラバラに見えたりするよなあと納得してしまった。でももう関係修復は難しそうね。

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166 落日やサルルンカムイの痴話喧嘩    平ん (平)
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黄○【166評】痴話喧嘩が気になりますが…それを補って余りあるサルルンカムイ(丹頂鶴)落日と丹頂鶴はつきすぎですが、それを補って余りあるサルルンカムイ。類想がないもっと良い句になる可能性を秘めています。

芽選外【166評】丹頂鶴に「一夫一婦」とか「夫婦和合」の様なイメージがあるので、交尾前の舞を痴話喧嘩に見立てたのかと思いましたが、若干の違和感がありました。

鶴○【166評】美しい景色。しかしその実痴話喧嘩。「ダーウィンが来た!」だー!「サルルンカムイ」も口にたのしい。アイヌの言葉なのですね。

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167 暖簾割るお好み焼屋の痴話喧嘩    (夕)
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森○【167評】上五で切れても切れてなくても良いと思った。いずれにせよ店外にまで聴こえる声量だろう。混ぜたり焼いたりひっくり返したり割ったりとお好み焼は痴話喧嘩そのもの。でも結局は分かち合わなきゃならんのよね。

丼○【167評】お好み焼き屋と痴話喧嘩というのが、もういい距離感でそれだけで採ってしまった。痴話喧嘩で収まりますように。てこの扱いには要注意である。

屁○【167評】土曜の昼めし食べようと暖簾をくぐると、大将と奥さんが鉄板の向こうで言い争い。常連は知らんぷりで黙々と。自分がお好み焼き屋の家系ということもあり、うんうんあるある、と情景がリアルに浮かんだので。

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168 耳裏に春の小鬼や口舌繰る    ことら (虎)
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藤○【168評】春の小鬼のせいだったらなに言っちゃってもしかたないっス。でも相手の耳の裏にも似たようなのがぶらさがっているのだ。まあだから喧嘩しちゃってもしかたないっスよね。という気分だがその実、かなりの舌戦!

林○【168評】耳裏で弁舌を仕込まれているのだろうか。でも春の小鬼ならそんなに陰険ではなさそう。コロボックルみたい。言葉の並び方がなんだか好きです。

凡○【168評】藤野可織的世界(来月新刊「パトロネ」発売!)。不機嫌になるのが自分のせいじゃない気分のときのことが、最近トゲトゲしがちなので余計に実感できた。

噛○【168評】図が可愛い。こんな想像をして句が作れるのが凄い、羨ましい。畠中恵しゃばけシリーズに出てきそうで若だんなには見えていてって想像すると楽しい。でももし本当に喧嘩して子鬼がとか言われたらぶち切れるけど。

飼○【168評】口喧嘩の時、相手を攻撃する言葉を次から次へと繰り出す人っている。自分は何も言えなくなるタイプなのでこの小鬼がほしい。

知◎【168評】自分が言っている時も相手に言われている時も小鬼が言わせていると思いたいものです。耳の裏に小さい鬼が囁いているところがかわいいです。

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169 バレンタインまでが期限だ降伏せよ    るいべえ (る)
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酒○【169評】降伏しないと別れるとかじゃなくて、解決しないままうやむやに仲良くする感じになっちゃうから、それが嫌なんですよね。季題としてのバレンタインをこういう使い方したのは一応新しいんじゃないか、で選。

凡x【169評】仲よさそう。もっとちゃんと喧嘩してください。「降伏せよ」の言い方もカラオケ映像の中の男女みたいな「おどけ」感。

幹◎【169評】これ絶対女性側からだよなあ、たぶんこのセリフを言っている人の方が分が悪い。だから強がって期限切ってしかもチョコをたてにして頑張ってる、かわいいじゃないのさー

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170 億年の腹立ちかアンドロメダ    カイ (飼)
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炭x【170評】「五五六」と読んだので、散文的になりすぎじゃないかと。あと「億年と」「アンドロメダ」で腹立ちの大きさを表しているように思えましたが、それがうまく結びつきませんでした。

科◎【170評】喧嘩しばりというお題で、文字通り宇宙規模の喧嘩を詠んだことに驚いた。宇宙なら、怒りも億年単位だ、というスケールの大きさが良い。破調(字足らず?)=決まりに無頓着なのも、大雑把で宇宙っぽい。

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171 殴りつつこぶしが切れている感じ    百枝 (百)
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好○【171評】フィジカルな実感なんだけど「感じ」としているところが逆にリアル。

ぽ○【171評】素手の喧嘩は痛みを伴うからいいんだと思わせてくれる句。リズムがいいのか、殴ってる姿がスローモーション再生されている感じがした。思いきり殴ってるんだなという爽快感もあり。

智○【171評】殴り合うほどの喧嘩しているのに、妙に冷静。「あ、切れてる」みたいな。喧嘩の理由とかどうでもよくなってるんじゃなかろうか。

茅○【171評】口げんかより肉体的な殴り合いの方が気持ちが冷静になれるのかと殴り合ったこと無いけれど実感としてわかったので。殴ってる手から血が出る描写っていつ見てもかっこいい。

芽○【171評】喧嘩し慣れてる人の言う事みたい。「殴ってる方も痛いんだ」そうで…。ってことは、相手の歯に当たってそうで、相手の歯は折れているか!?

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172 金鳳花痴情のもつれと囁きぬ    はやし (林)
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丼○【172評】金鳳花は可愛らしい花ですけど、有毒です。トリカブトと同種のアルカロイド含んでいます。怖いですね。

黒x【172評】キンポウゲの可憐さと「痴情のもつれ」の情念がしっくりこなくて逆選。「囁きぬ」もねちっこい感じで、、金鳳花(しかも漢字で)じゃないとダメ?と思ってしまった。

珈◎【172評】五連の漢字がちょうかっこいい。艶やかな字面も良いし、キンポウゲの花としてのかわいさも、少女っぽい冷酷さや無責任さを思わせて恐くてシビレた。

寝○【172評】可愛らしい花なのに毒があるんですか。「痴情のもつれ」という言葉は、被害者がどんな目にあっていても、「自業自得」と同情していない感じがする。怖い。

平○【172評】ぐおお毒殺句!!サスペンス劇場!!金鳳花って漢字にしたところが、痴情や囁くのサスペンス感とあいまって良いです!!まぁ最初は読めなかったし金鳳花が毒だとも知らなかったんですが。ググレカス句ですね。

波○【172評】喧嘩を俯瞰してる句ですね。金鳳花のビジュアルもちょっとダサいし、ワイドショー的痴情のもつれもダサい、そういう達観が感じられました。

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173 聞きたいのならゆうてやる鬼は外    ミホノフ (穂)
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妹○【173評】玄関で、豆を投げつけられながら追い払われる夫。気の毒。すっごく怒ってるけど、このひとの喧嘩は後腐れがなさそうだ。

幽○【173評】口語句が多かった喧嘩句。捨て台詞的な言葉と何かをぶつけて効果を出そうとしている句のなかで、これは「鬼は外」という儀式行為との距離感が意味深で選。「鬼は外」は季語かしら。

鶴x【173評】「聞きたいのならゆうてやる」といわれ、どんな決定的な(いってはいけない)言葉が飛び出すのかと思いきや「鬼は外かーい」となってしまって。

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174 鉄拳や顔縞にして伏す蒲団    十猪 (猪)
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数○【174評】お題全部入れてきた!!という驚きで選んでしまいました。今回は初なので素晴らしいです。でも、選ぶのは今回限りになってしまいますね。きっと。

少x【174評】以前にも出てきた「全部乗せ」。初めて見たなら、驚きとともに〇を付けるとこだけど、一応分けてのお題ってことで。

ひx【174評】忙しないモンタージュ。才がもったいない。句会をメタ視する着想は素晴らしい。いっそ三句とも全部乗せしてほしいほど。ちなみに僕は、三句すべてに逆選を頂戴してるんですけどね!

珈x【174評】三題とも入れただけで、句として自立した魅力を感じないのでもったいない気持ちになりました。

ち○【174評】お題が全部入っていて豪華だったので…。

Cx【174評】すべてのお題を盛り込んだのはお見事なのだけれども、焦点がどこかわかりませんでした。少なくとも蒲団は主役に見えない

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175 探りつつ語尾をだんだん悪くする    白豆 (白)
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珍○【175評】喧嘩慣れしていないのはどっちか。「だんだん」とか言ってるから、間違いなくこっちだな。探っているのも筒抜け。責められつつも和んでしまいそう。その態度がまた相手に火をつけたり。

虎○【175評】喧嘩できる関係ってそれだけ信頼が深いということでもあって。語尾をだんだん悪くしながら、許される限度をはかっている。ほんとは全然冷静ではないんだけど自分は冷静だと思い込もうとしている感も。

茅○【175評】仲よさそう。喧嘩し慣れないので共感します。

ひ○【175評】相手ももちろんだけど、きっと自分も何かを隠してる。勝機は未だ見えてこない。そんな状況が伝わってくる。

黒○【175評】「探りつつ」何かをする時って言葉が慎重になる。ラジオをチューニングするように「良い」「悪い」の調整をするさまを思い描いて○。

ち○【175評】ラヴェルボレロのケンカバージョンで、語尾の悪さがだんだんクレッシェンドしていく。強く、とか、荒くするのじゃなくて、悪くする、っていうところが好き。

鯖x【175評】なんか「俳句じゃない」って思った。まだアイデアメモな感じ。「俳句だ」と思える「形」だったら採ってた。文語にしたらいいんじゃない?(←安易)

千x【175評】「探りつつ」と「だんだん」が重複に感じられ、もったいなく思えてしまい、内容が好きなだけに逆選。

ふ選外【175評】探ってるのは相手の顔色で、それにびくついてるせいでしどろもどろに「まずい」言葉を選んでしまいスパイラル、という句なのかと(だったらもう少しうまく作れたかなあと思って選外)。挑発評にも納得。

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176 証拠など要らぬ女ぞ虎落笛    崖元 (崖)
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珍○【176評】女の凄味に「虎落笛」の字面が妙にマッチしていて迷わず選。切れ字も「ぞ」しか考えられない。

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177 空風やだんまりと決めノブまわす    凡コバ夫 (凡)
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林○【177評】けんかのあと、むしゃくしゃして近所をひとまわり散歩してごはんも勝手に食べてきた。寒いので家には帰りたい。まだ仲直りはしたくない。この句の続きが134では、と思ってしまう。

少○【177評】戦いは続く。家は戦場。決意を固め、いざ(大人気無いけど)!

穂○【177評】本当に怒ってたら帰らない。でも寒いから帰っちゃう。子どもっぽい頑固さがかわいい。数日は喧嘩中なのだろうけど、長くは続かなさそうな気配も醸し出されてうまいなあと思いました。

剣○【177評】朝出かける前ににひどい喧嘩。仕事終わりで温かい家に帰ってきて、ほどけそうになる気持ちを、いやまだと抑える感じが出ていて可愛いです。しかしこれでドアにチェーンかかってたら目も当てられないですね。

子○【177評】それまで喧嘩の事は忘れかけていたけど、いざ会うとなったら、まだ怒っている事に気付く。自分からは折れない覚悟。

平○【177評】喧嘩ってのは、ほっとけない距離にいるからこそ起こるのでしょう。空風の吹く屋外とだんまりの室内の対比もいいです。謝りに来た彼氏を許さないけど部屋には入れてあげる句と読みました。

知○【177評】喧嘩の後、外で寄り道をして帰ってきてだんまりを決めてから家に入る。家に帰ってきたのだから決定的な喧嘩ではない。頑固です。

雪○【177評】空風で外を想像させて、ノブを回す瞬間にフォーカスさせるのが上手い。空風の荒れた感じと、徹底抗戦を決めた心もち、すべてが一瞬の動作にかかっていて素晴らしいです。

鶴○【177評】実感がありすぎて選びました。けんかは意地のはりあいなんだなあと。で、すぐ口を開いてしまいそう。

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178 みな耳をふさぐ喧嘩や春寒し    トモサダ (友)
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科○【178評】喧嘩の当事者じゃなくて傍から見てる人達の気持ちを詠んだのが良い。

知○【178評】公共の場所での喧嘩は耳を塞ぎたくなります。それが小さい子のいる夫婦だったりすると、よけい。春なのに冷たい風がピューピュー吹いています。

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180 言い負けて悔しかりけり春の服    レゴ黒木 (黒)
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珈○【180評】この句単体ではなんとも思わなかったのだけど、155の句の世界観で取った。言い負けたほうは「悔しけり」とかむくれるぐらいで、あとは春の服がどうとか言えるほど余裕なのが155の寂しさを引き立てる。

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181 しゃらくさい死ねばいいのに春隣    鶴谷 (鶴)
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廣x【181評】上五が合はないやうな。目を引く句だとは思いふけれど。上と下入れ替へてもいけさう。

友◎【181評】「しゃらくさい」は喧嘩の「古語」だ。しゃらくさいって「思えて」「言える」人っていいなあと。さらにいうと、喧嘩そのものというより喧嘩言葉を句にしたところが好み。春隣という語の便利さも思った。

白○【181評】「死ねばいいのに」って言っちゃうことの軽さ、がちゃんとでているところがいいなあ、と。

麻x【181評】五七五でそれぞれ好きな単語を持ってきて合わせた感があり、一句としての流れを読み取れませんでした。しゃらくさいって、いいですよね。つい使いたくなっちゃったのかなーと。

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182 黙れば大田螺みたいな顔だな    渡邉朧 (朧)
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林◎【182評】一番不敵な句。黙った相手に追い討ちで、冷静にうまいこと言ってるのがもう。「ふてぶてしい、垢抜けない」くらいの意味に取れるかなと思いつつ、例えのシュールさがなんかほんとくやしい。破調もくやしいし。

鯖○【182評】「このタニシ!」だ。わかるわかる。わかりすぎて「田螺」が季語だって後で知って新鮮な驚きを感じたぐらい。

幹○【182評】なんという憎まれ口。挑発してるなあ、喧嘩の最中に押し黙った末に何の脈絡もなくこれを言われたら、何を!と取っ組み合いそうだ。

飼◎【182評】ああそうか。あのむっすりした顔は何かに似ていると思っていたが田螺だったのか!もの凄く納得したので破調も気にならなかった。

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183 まりやより取り合うのならなほこかな    栗人 (栗)
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数◎【183評】『満月』なので語らせていただきます。

数◎【183評】なんて男だろうと思いました。でも、『まりや』と『なほこ』のイメージまで浮かんでしまって。(もしかしたら、アイドルとかで実在する人かもしれないですが…)

数◎【183評】きっと『まりや』は可愛いけど、大人しくて素直な子。『なほこ』は小悪魔系。「どっちも可愛いんだよ。でもやっぱ取り合うってなったら『なほこ』だよな(ニヤニヤ」みたいに男同士で言っているんです

数◎【183評】何より名前がいい。『ゆき』や『あつこ』ではおそらく目がいきませんでした。『まりあ』じゃなく『まりや』『なおこ』じゃなく『なほこ』この絶妙に個性を感じさせる名前。この名前に一番やられました。

数◎【183評】もう私の中では『まりや』と『なほこ』も、それを取り合うことを考えニヤついている男も確実にイメージされてしまいました。そこまで自分の中で存在感が大きくなった句だったので、特選です。

数◎【183評】もう、私の中の『まりや』『なほこ』は消えないですね。私は『まりや』ちゃんがいいと思いますけどね。

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184 チョコレイト投げつけ苦い指の我    なご (和)
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185 いま姉を殺りにゆきますバレンタイン    二羽剣 (剣)
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崖x【185評】(殺し俳句の草分けで、潜在力あり。が「殺(や)り」はヤバイです。スラングを使うならパイ句とか新しい流派作るしかないかも。造語、略語も危険だけど、85歳過ぎた句歴60年以上の俳人ならOK)

妹x【185評】「殺る」も危険だけど、そもそも喧嘩(両成敗)って感じがしない。一方的な成敗に見える。相手が男性なら「悩殺」もあり得るけど、相手姉だし。猟奇的な雰囲気に飲まれて、無視できませんでした。

数x【185評】喧嘩というには剣呑すぎます。本当のところは、もっとソフトな事なんだろうと思うんですけど…表現ももっとソフトにして欲しかったです。

朝◎【185評】好きになってしまえば奪われる相手のことなんて考えられない。それは姉であったとしても。泥仕合になるのは必至。姉妹関係が壊れるのも必至。姉とは喧嘩したものだったけど今回は別次元。勝利だけ考える

舘○【185評】人が最初に殺意を抱くのってやっぱり身近にいる人だと思う。これ言ってるのは弟。ねーちゃんてうるさいしコズルイし。バレンタインに何かあった弟の八つ当たり。

じx【185評】弟や妹が姉に対して「殺る」とか使うのかな。バレンタインの6文字も、試行錯誤すればなんとかなると思いまして逆選。

幹x【185評】比喩や笑い話に落とすには「殺る」が怖すぎた。

芽x【185評】身内を殺そうと思う程の事があったとして、それをバレンタインデーに決行するというのが…情念とは言え…やはり違和感が。

蓬○【185評】いくらなんでも「殺りにゆく」はないだろう。うん。そうも思ったけどバレンタインだからそのくらい頭に血が上った妹も許してあげて。たぶん3月くらいにはおとなしく姉ちゃんと彼氏を見送ってる。

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186 寒月や殴る一瞬だけ触れる    碍子 (碍)
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酒○【186評】たしかに殴ってる時は接してる、という発見もあるけど、これは「寒月」の絶妙さで採らせていただきました。季語の持つエネルギーを最大限に発揮させて、季語の力に託した、「俳句らしい俳句」だと思いました。

妹○【186評】正直なところ、ちょっとまだ、よくわかってない。「殴る」と「触れる」には、圧に差がありすぎて、どう解釈したらいいのか。状況も人物像も謎だし。でも、どうにも惹きつけられる句なので、選んでしまいました。

好◎【186評】殴ったつもりでもほとんど当たらないんだよねえ、弱いやつの喧嘩は。季語の斡旋のうまさ、動詞終止形のたたみかけ、絶品です。

ふ○【186評】相手と自分の冷たさが互いに触れる一瞬、切れたのか砕けたのか融けたのか。剃刀のような鋭さにこちらも切り付けられた思い。かっこいいなあこの男の人。ねちねちしない、余計なこと言わないタイプなんだろう。

虎○【186評】月夜にする喧嘩ってすごく危ない気もするのですが、一発で仕留めた感じがでていてかっこいいなと。「寒月や」がびしっとはまっていてシビレル!と思いました。

白○【186評】このひとはちゃんと殴れたのかなあ。わかんないけど、その触れた一瞬で、(心の中の?)なにかが決まった感じがすごい。

藤◎【186評】触れたくもない、同じ空気を吸うのもいやだ、というくらいの相手でも、殴る一瞬はたしかに触れる……実にそのとおりだ。暴力とエロの切っても切れない関係が正確に描写されていて、心から惹かれた。

智◎【186評】ほんとうは触るのも嫌なくらい嫌な相手。でも殴り合いになれば触れざるを得ない。というのをネガティブな言葉使わずに表現しているのがかっこいい。効果のあるパンチって、ヒットしてる時間は短いんですよね確か

朧◎【186評】殴ったら大っきらいなアイツに触んなきゃいけないんだ!いやだいやだ、嫌いなアイツに触るなんて!嫌い、本当に嫌いなんだってば!……ガールじゃのう(お茶ずび)。

茅◎【186評】ああでも確かに喧嘩って相手に触らないとできないんだなあと。一瞬の体温を感じました。

黒◎【186評】「カンゲツ」の乾いた響きと喧嘩の風景がマッチしていてシビれる。確かに殴るときは触れる!その発見に敬意を表して◎。

穂○【186評】選ばれた言葉の鋭い印象から怒りの沸点の高さを感じました。と同時に「一瞬だけ触れる」に寂しさも含まれているようで悲しい。点でなく面で触れてしまいたいのが本心なのではないかなと。

剣○【186評】「殴られたお前も痛かったが、殴った先生の拳も痛いんだぞ」みたいな、ちょっと詭弁っぽい句で、「でも体罰だよね」と反論したくもなりますが、喧嘩もコミュニケーションの一種だという発見がありました。

舘○【186評】ザ・俳句!すごいです。シュッと空気を切る音がちゃんと聞こえました。そして痛さも感じました。

ち◎【186評】女が男を殴る図。ケンカの中でも、目の前にいる相手と生ケンカするのって一番クオリティーの高いケンカだなぁ、って思いました。殴る、って、触れる、の亜種なんだ…。

鯖○【186評】大人は親しくてもそうそう肌には触れないよな。触れるのはパートナーや子供、それからいきなり飛んで「敵」っていう。そうやってなんかいろいろ考えちゃうとこもいい。

屁○【186評】最初特選にしていたのですが、うますぎるというか整いすぎている気がして、並選にしてしまいました。「一瞬だけ触れる」が愛憎どちらの気持ちにも見えて、そう!喧嘩って単純じゃないもんな。と思えました。

噛○【186評】殴りながらも触れることに気付くって冷静だなって、その手を出す行為の激情と冷静さの差に惹かれました。寒月も効いてる。喧嘩の理由が重そうなのを表してるし切れ味鋭いパンチだ。

蓬○【186評】第一回の「外灯や氷踏むときだけ黙る」とほぼ同じ構成、という点で取るのをためらったけど、「殴る」のなかに「触れる」が含まれているという描写に臨場感があった。しかも殴る激しさを寒さが取り巻いていて。

炭○【186評】一瞬だけれども、殴った時の手の感触が残っているのが分かる、感覚の句。それを喚起させる上五の「寒月や」も凄い。

廣選外【186評】ああ、これは最後まで気になつてゐた句なんです。でも「寒月」が格好よすぎたんです。

波○【186評】一瞬触れるという点に発見があった。ただ、「殴る」だとグーで殴る訳で、一瞬触れるにしては結構触れる、と思ってしまい、私にはどうも引っかかる所もあった。平手で殴る動詞にできたら良かったとは思った。

千○【186評】発見があるし、季語も効いている。殴るときは触れているのだと、考えたこともなかった。温度の冷たさや、静かさまで伝わってくる、張りつめて立っている句だと思った。

る○【186評】少女漫画っぽい。殴りつつときめいちゃってそう。(殴られる側もか!?)寒月がさらに繊細さを加えている。

科○【186評】殴ることも触れることだ、という切ない気付きがとても良い。「寒月」の鋭い冷たさともマッチしている。しかし、句の構造がどうしても第一回の「外灯や氷踏むときだけ黙る」を彷彿してしまうので並選。

科○【186評】殴ることも触れることだ、という切ない気付きがとても良い。「寒月」の鋭い冷たさともマッチしている。しかし、句の構造がどうしても第一回の「外灯や氷踏むときだけ黙る」を彷彿してしまうので並選。

雪○【186評】「殴る」と「触れる」の重ね方が緊張感を増していて好きです。寒月の効果は「中下を邪魔しない」くらいかとも思いますが、「触れた」瞬間の熱のような衝撃との対比を思うと上手いのかも。

麻◎【186評】とにかく抜群にかっこいい。この句だけ輝いているように見えた。

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187 もういいよもうってなんなのカモミール    ちねり (C)
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崖○【187評】(この句20年前なら正選、10年前なら逆選、今また正選みたいな、俳句とは? を考えさせる句だった。少し泣けるくらい懐かしい。カモミール、季語に見えるお。涙でかすむお(キモイんだよ!))

白◎【187評】どこがいいのかよくわからないけど、喧嘩ってこういうものかもね、と。無理矢理言うならカモミールはリラックス効果があるので仲直りの提案か。

少○【187評】カモミールがでてきたのは、グチをこぼしてる友人からだったり?

朧x【187評】「カモミール」を合わせるのがトレンディドラマかと思いました。真っ赤な唇のふくれっつらヒロインは肩パット入りのボディコン着てるんだろうか。

じ○【187評】ファミレス句と思いました。友人にグチってるところで店員が来てカモミールかと。なんなの「よ」が無いところが間髪入れない風で好きです。

子x【187評】言葉尻をとらえて言い合ってる喧嘩にカモミールが、私には突飛過ぎてわかりませんでした。

光○【187評】カモミールティーが運ばれてくるまでは仲良く話してたのに、急に喧嘩になってしまった、と解釈。冷めゆくカモミールが視界の端に入って悲しい。

剣選外【187評】言い合いの雰囲気出てて良いなあと思った後で、「もうってなんなの」って何なの?「もういいよってなんなの」とか「いいって、何がいいの」なら分かるが、などと考え始めてしまい取り損ねました。

る○【187評】カモミールのリラックス効果でもとめられない悪い流れ。本当に中身のない喧嘩なんだろうなという感じが余計つらい。カモミールが皮肉として効きすぎてさえいるかも。

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188 聞こえないおまえのことばなど冬蠅    フジノ (藤)
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地○【188評】ジュリーっぽかったから。寝たふりしてる間に出て行ってくれっぽかったから。たぶん後悔してますよ、このジュリーは。

林○【188評】もう没交渉を決めこむらしい。たぶん引きつった顔。勝気にわめいている女の子が相手で、口では勝てっこないのかも。冬蝿がやさぐれていて、いい。

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189 壁を背に窮鼠ならざる鼠は笑む    紀野珍 (珍)
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虎○【189評】どんな切り札があるのか、ないけど笑ってみせてハッタリきかせてるのか。鼠かっこいい!いや、ほんとは人間でしょうけど。男に壁に押し付けられてる女性っぽい気もします。そう考えると色っぽい句ですね。

白○【189評】ジェリーの笑い方はかわいいよね。

少○【189評】ジェリーだ!続けて、トムの「アーッ!!」まで聞こえてきそう。

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190 セーターがマフラーになりたまになり    あら丼 (丼)
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森○【190評】セーターと毛糸玉の途中はマフラーなんだと眼から鱗。恋愛関係の可逆、不可逆性についても考えさせられて唸った。セーターが着たいです。

藤○【190評】「たま」は漢字表記で「玉」のほうが視認しやすかったのでは。内容は○。セーター編むつもりがいったんマフラーに降格し、さらに降格して毛糸玉のまま。物質は変わってないのに心のなかでは逆進化。

ひ○【190評】思いが冷めてしまったのか、その後、決定的な何かがあったのか、時間の流れを感じました。

C○【190評】これもしんみりなのですが、マイルドな表現になっていて上手だなあと。やや川柳ぽい?

芽○【190評】後もうちょっとで出来上がる寸前に喧嘩でもしたのでしょうか。ものすごく怒ってますよね。毛糸をピューピュー解いている感じがしました。

珍選外【190評】選外評で質問。セーターを解いて、マフラーになるものなのでしょうか? 藤さんの評でなるほどとも思ったんですが、でも「たまのまま」ではないですもんね。

黄○【190評】最初セーターを編み始めた。完成前に喧嘩してほどいた。仲直り。冬に間に合うようマフラーに変更。また喧嘩。ほどいた。仲直り。だけどもう春。毛糸玉が残った。本当は仲いいんだ。二人は。微笑ましい。

知x【190評】毛糸玉に逆戻りすることだったのですね。意味を読み取れずにいました。意味が分かったら好きな句だったです。ごめんなさい。

幹選外【190評】喧嘩がヒートアップして、暑くて脱いで首に巻き、最後は球にして投げ合う(投げつける?)んだと思ってました。わかりにくいなとは思ってとらなかったのですが。

麻○【190評】相手に喜んでもらうために何かをしようという気力が失せちゃったんだろうね、もう。スイッチオフですよ。

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191 バカガイのようだと兄になにごとか    まへ (屁)
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珈○【191評】話を聞くだけの他人としては、バカガイが登場する会話がおかしく微笑ましい。「馬鹿って言ってませんー、バカガイですー」みたいなくっだらないとんちかましてくるんだよね兄は。ウスバカゲロウとかさ。

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192 売り言葉放って空し8byte    尓々 (に)
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友○【192評】なにを言ってもとどのつまり0と1なんだな、という思いを、喧嘩という題につけて句にしてしまうとは。「買い言葉」でもよかった?(←いいだろそこは)。

珍○【192評】ネットやメールでの喧嘩を扱ったのはこれだけ?(「使えば」としている158もそうか)「空し」と言ってしまうのは気になったけども、アイデアがおもしろく選。

藤○【192評】わざわざ売り言葉を放ったのに誰も買ってくれないって、ネットではむしろ売ってないのに喧嘩買われちゃうことが多いなか、稀有。まあでも8byteぽっちじゃね。もっとがんばれ、と喧嘩をあおる心持ち。

朧○【192評】メールの喧嘩って冴えないよなあ。喧嘩はあってしようね。

栗◎【192評】これぞツイッター俳句!ツイッターでの喧嘩、絡みの売り言葉って、どこか軽率さが付きまとう。それを8byteに感じた。142と特選迷ったが、ツイッターならではの俳句、ということでこちらに。

ん○【192評】けんかの言葉はいつでも空しいけど、メールやネットなら尚更だ。8byte=4文字言葉ってことなのかな。「買い言葉」の方がより好みだったかも。

飼○【192評】メールだと脊髄反射してしまうのはなぜだろう。「放って空し」のリズムの軽快さがメールのやりとりの軽さをより強調しているように感じた。

炭○【192評】文字を送ってもすぐにレスポンスが無いから、我に返って「空し」となっている景が浮かびました。ネット句の代表句になりそう。(そういえば158の「さびしい」は8byteですね)

幽選外【192評】「買い言葉買って悔しい8byte」みたいな句が影のように寄り添って「見えた」。はないちもんめかよ。

麻○【192評】口に出した時に気持ちのよい音だったので。さらっとした音がむなしさをより強く残している。