【7.7 アッテスル連句 泥棒の巻】

泥棒のくせに暑中見舞いがくる 鯖
夏シャツまとい開け放つドア 波
黒い影水平線に立ち昇る 森
遥か彼方にボーイング飛ぶ 助
見下げれば埠頭の灯見上げれば月 酒
首を捻れば菊人形で 鯖
腸(はらわた)をついばんでいる小鳥たち 波
君のタイツの網目を数え 森
空き缶がふたつ並んでいる夕べ 助
寝ている人と起きている人 酒
紅生姜のシェアは握っているのだし 鯖
歌うときには涙流れる 波
冬の月去り際に指輪を落とす 森
空っ風にはオロナインです 助
ドンガバチョ口髭がむずむずとして 酒
名古屋章のではない声音 鯖
花明りぐっとしゃちほこ反りてをり 波
息子は春の虹を訪ねる 森