【3.17 アッテスル春霞吟行】句一覧
1.官庁のダクトにしずく風光る
2.区境に黒タクシーや風光る
3.春昼やフットサルするオフィス街
4.春霞桑の港で二死満塁
5.火点しどき若布を洗う男かな
6.春の草ランナー左回りかな
7.お土産は点々餃子鳥帰る
8.被告の名貼り出されをり花菫
9.官邸にヘリコプターや春日影
10.春服や霞ヶ関に紅一点
11.引鴨やトンネルは壕より深く
12.点っぽく歩く烏や春の都市
13.のどかさや水準原点動かざる
14.鳥つがう旧きビル群廻りつつ
15.無人なら覗く詰所や春の昼
16.怒りとは悲しみのこと春霞
17.頭の上でヘリコプターの音や花
18.聖パトリキウス忌のパブ閉まりをり
19.黒ずんだ鳥が水吐く桜東風
20.春空の随所にビルの消失点
21.水準に原点ありし昼霞
22.名も知らぬビルが次々春霞
23.この街に外務省あり燕来る
24.初花や日本水準原点の
25.ここはまだ海市の底か日々谷線
26.点字なぞる指すべらかや若緑
27.雀らは霞のうちに集散す
28.行く春にでもねでもねばかりの歌
29.パンケーキでさよならしちゃえ春うらら
30.大股のカメラマン氏がいてのどか
31.ブランコをおりて髪にも鉄の香の
32.春めくやハニワが贈られてきたよ
33.縦列に春日の警備車両かな
34.抗議者が点鼻薬持つ日永かな
35.右端を雀らに貸す白木蓮
36.時計塔鳴りてさえずり盛りなり
37.官邸にヘリ吸い込まれ春うらら
38.辿り着くも静かや春の特許庁
39.大から小縦列の鐘春うらら
40.プリムラやふざけあひたる警備員
41.時計塔寝る時も鳴り春うらら
42.風光る職務質問されてをり
43.皆見遣る桜の中に外務省
44.春風や散るも大樹は影残し
45.どのビルも定礎を持てり春の塵
46.打ち合いの続いて点数忘れ春
47.大きなビルから一人出てきた春光
48.春空の点になるまでヘリコプター
49.そこここに像ありや春空に点
50.春の空国会議事堂の消失点
51.蛇穴を出て官僚のひたい噛む
52.桜田濠は碧し春コートは紅し
【アッテスル句会 春霞吟行結果】
一席 凡16(24)
二席 る11
三席 波10◎2(14)
四席 黒10◎1
参加者：森朧子波舘黒酒る友遠凡栗科
