【10.25 俳句BAR句会】なんでしょう句

ボウリングのピンから少し上に月
月の海足ゆび砂の死に満てり
名月やじゃんけんぽんでつかまえた
朝月夜死にゆく人の影うつし
夕月や包まれてゐて果実たれ
歯車にかぶせる化粧箱や月
相席や心苦しき初紅葉
何もかも全部ほんとう月を見よ
月白や保温ポットのきゅうと鳴き
ほんとうはどの星よりも小さい月
鉄塔や蔦ちぎりたる右手の血
気付かれぬ月の自転や帰路は一人
障子貼る妻が歌うAKB
月だなんてサンダル履きで「行こう」なんて
決めかねて両の手をとる月夜かな
秋冷や明日には返す車椅子
水切りやジャイロボールで月を割る
秋晴のどれも押したくなるボタン
埃まで運ぶ荷台や椿の実
秋の雲ドラムロールが鳴り止まぬ


【なんでしょう参加者:朧黄黒子残知鶴凡森雪蓬】
 ※全51句からなんでしょう句を抜粋