第一回【なんでしょう句会】投句一覧

お題1 「氷」お題2 「模様」お題3 「妖怪しばり」

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お題1 「氷」

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1 奥信濃かの湖の結氷す
2 氷噛む昨日の空気の味がする
3 あな悔し氷砕いて臼歯あり
4 氷の手はあと息吐く通学路
5 トラックのシートのたるみ初氷
6 寝るきみの腹に氷を詰めて縫う
7 軽装で氷上に立つ四人組
8 朝早く氷の下の鯉静か
9 年越のグラスの氷なごり惜し
10 舎利となり氷の水へかへる頃
11 冬が来てソバ屋のコップの氷消え
12 人肌の恋し氷を口うつし
13 氷とは幸せの熱で固まる
14 初氷踏み踏み歩けランドセル
15 プレゼント氷の微笑でアリガトウ
16 色悪や良い氷とか言いにけり
17 外灯や氷踏むときだけ黙る
18 氷上でホバリングする第一歩
19 舌先に氷ぶらさげ子が笑う
20 反論を言いたくなくて氷噛む
21 液晶の向こうの氷をガラス越し
22 手のひらにいのち閉じこめ氷面鏡
23 初氷百人乗っても大丈夫
24 長嶋を氷づけにせよ監視員
25 アンペアを超した夜窓に氷柱立つ
26 氷上のクレパスはまるペンギンくん
27 髪氷る肩こり少しきつくなり
28 氷上を滑る朝日と子等の声
29 円筒の穴の予定地張る氷
30 氷踏む子のまわりには白けむり
31 金魚ごと氷る火鉢に手をかざし
32 初氷よちよち転ぶこぶし締め
33 朝くもる窓にふれ言う「はつ氷」
34 月氷る夜をながめつ窓辺でくるまり
35 初氷ぱりりと踏みて朝帰り
36 くすりゆびやがて氷の張る池に
37 お尻の下氷の足をいれていい?
38 仏人のひそむる息や初氷
39 窓氷りハンドル擦りて帰れない
40 うしろ襟に氷すべらせ笑いをり
41 友の背にこっそり氷を放り込む
42 氷用絵の具ってなに透けてるの
43 かえりみちまたぐか氷歩道橋
44 氷張りゆくタクシー多く走る夜
45 氷など見たこと無いと拗ねる父
46 貧血のサインの掲示に「氷食う」
47 氷道そっと踏み出す赤い靴
48 氷りたる川面の下に溺れる子
49 窓閉めて星空ごと氷になれ
50 ドラキュラの氷柱紫青緑
51 氷踏む猫の背に落つ月あかり

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お題2 「模様」

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52 顔に縞模様つくりて日暮れかな
53 マフラーの模様数えて待ってます
54 少年の模様破れて冬の虹
55 模様なしばかりを乞うた年長さん
56 花模様しずくが垂れる五時限目
57 模様過多元日にだけ叔母と会う
58 丼の底は模様や冬の昼
59 白い髪市松模様似合わない
60 朝霜や液晶画面の虹模様
61 風吹けば銀杏落葉の模様かな
62 相棒と相撲の模様相模にて
63 はらり落つみぞれ染み込む水玉模様
64 天井の幾何学模様冬の朝
65 横断の模様白だけ踏んで朝
66 クリスマスうずまき模様ギュッと巻く
67 クリスマス模様の包みをそっと置く
68 くちづけてマーブル模様ラテアート
69 らしくない模様の服を買ってみる
70 木漏れ日がキミの頬の上丸模様
71 ラーメンのあぶら模様も飲み下し
72 蔦模様きちがひの棲む冬ホテル
73 落ち葉舞う模様が立体メタ視覚
74 ひらがなが模様のようにみえた頃
75 雪降りし子供遊びてまだら模様
76 開かれた魚が描く血の模様
77 雪時雨死刑中止になる模様
78 往来の外套なべて模様無く
79 模様から模様へ跳んだ靴のつめたき
80 そのマフラー飼ってた猫と同じ模様
81 雪の模様発見したのは物理学
82 着膨れて待つ襟元の縞模様
83 広げたらどんな模様の恋かしら
84 雨の模様みぞれの模様おじぎして
85 マフラーの模様憎らし口喧嘩
86 霜花の模様の話できるひと
87 亡き猫の背中の模様小春空
88 乱酔の罪深き痕水玉模様
89 盤上の模様まぎれて大晦日
90 枯れ葉舞う幾何学模様風の中
91 セーターの模様にさがす鳥の群れ
92 真白なる「はー」マフラーの模様かな
93 わからない土産にわからない模様
94 セーターの波打つ模様に胸はなり
95 冬研究棟ナノメートルの模様編み
96 重ね着と目じりにかくすうら模様
97 警告の模様を真似て毛糸編む
98 流星に目をしばたかせ空模様
99 エッシャーの模様のあはひ霜雫
100 縞もよう春待つ背に射す日と影と
101 針を刺し模様熱持つクリスマス
102 白菜の安定感を模様とす

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お題3 「妖怪しばり」

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103 妖怪と妖怪抱き合っても寒し
104 ぬりかべと寄り添い合っていて寒し
105 ディズニーの人魚は陽の造形か
106 垢舐めが来たかの様に風呂磨く
107 のっぺらぼう表情読んで「微妙かな」
108 くしゃみして振り向くゾンビのシャツに縞
109 冬晴るる一反木綿ひるがえり
110 猫又と気付かれなくて丸くなる
111 冬空に一反木綿反射光
112 風花やのっぺらぼうが三人目
113 襟巻きにじゃれる紙舞散歩中
114 ぬりかべの照らしかへしや冬夕焼
115 井戸のなか皿を一枚投げ入れる
116 さめざめと小豆を洗う井戸の水
117 約束を強いて俯く雪女
118 臥せ飽きて座敷童とあやとりし
119 ポケットの指悴んで天邪鬼
120 相老いてコロポックルと待つ聖夜
121 鈴なりて見上げ入道現れり
122 小さめの大入道だよあれは
123 走り来る友の膝切る鎌鼬
124 寒泳の一反木綿が舞いをどり
125 ぬらりひょんらかためてあげた冬うらら
126 すれちがう件のもらす花言葉
127 去年今年練り塗り壁に塗り込めり
128 ろくろつ首そのセーターを脱がすのは
129 外套脱ぎ捨て酒呑童子の頬さわる
130 冬銀河乗っているのは提灯小僧か
131 くたびれて河童まくらにきゅうりかな
132 しゃぶしゃぶを口さけ女そんな食う
133 にんにくを食べない君にドラキュラを
134 着ぶくれた川崎駅の雨女
135 腹重い思いを覚り悟って欲しい
136 河川敷ホワイトアウト鬼火出づ
137 口裂けの娘も呼ぼうクリスマス
138 百目より隠れて潤む毛布かな
139 真夜中の散歩の供にぬっぺほふ
140 朝寝坊焦る足下すねこすり
141 ねんまつだまっくろくろすけおいはらえ
142 蜜柑かご背中に僕はコタツムリ
143 うれた柿とらんとなるぞたんころり
144 置き去りの百目溢るるホームかな
145 残り湯やベラを眺めつ蜜柑喰う
146 実は彼ぬらりひょんかもしれないの
147 目目連泣くな床上浸水だ
148 年老いた座敷わらしと餅を食う
149 添い寝する唇紅き雪女郎
150 鰭酒や酒呑童子となりにける
151 大広間座敷わらしのくしゃみ聞く
152 雪女こっそりビキニ買ってある
153 手袋をもらい戸惑う手の目かな

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選句表縦書きpdf(ダウンロード) http://bit.ly/vHIawM
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