【2.2 アッテスガモ吟行】句一覧

1.曇天や春も地獄のべべは赤
2.春の来る前に線香灰となり
3.外套に隠れ高岩寺を去れり
4.かりそめの春日皇室カレンダー
5.ダッフルの波にのまれる大試験
6.いちめんにポマードの瓶春隣
7.生者よりも多く冬帽店にあり
8.寒明けて鳩は向きたい方を向く
9.春近しビニール袋の豆の山
10.南向けば空の青かりける二月
11.二葉亭四迷の墓や寒椿
12.警部補の墓にも名刺受冬日
13.まっすぐに行きて戻りて春隣
14.豆を撒く舞台に力士在りて春
15.ねんねこや僕の生まれた日をおもう
16.此方と其方で春の都電を送り出す
17.生姜焼きの色くっきりと春近し
18.地蔵堂枡に盛られたしらす干し
19.生来の寝癖がちなり巣鴨は春
20.冬終わる奥の小暗き傘屋かな
21.寒卵つぎつぎ嵌めて晴れ間かな
22.日脚伸ぶ豆屋に鳩の生きやかに
23.長生きをする為マスク赤パンツ
24.かつお節削る老婆や厚氷
25.恵方巻食す習慣なき人を愛す
26.冬終る陽射し届かぬ神社かな
27.脇道や中華料理とかじけ猫
28.赤シャツも赤パンになり海苔求む
29.生知りで煙をあびる二月かな
30.冬の市慈姑の群れて生々し
31.新作のパンツ膨らみ寒明る
32.いつか生きて二月におよばぬことがある
33.冬林檎つやつやと雲映しけり
34.ばあちゃんの赤いメリヤス冬深む
35.落花生しかめっつらで売る男
36.寒明るころテーブルは立てて置く
37.遠回りおぼえて睦月中学生
38.冬雲のながれるほうへ歩くかな
39.立春ケーナのやがて夕煙
40.日脚伸び呼び込みは目を合はせない
41.厄払いして百貨洋品揃う店
42.コーヒーをすすり生まれし冬の空
43.日脚伸ぶ赤一面の衣料店
44.春隣巣鴨に母の三四人
45.冬空や直瀑のごと浄水器
46.漢方の効能説くや石蕗の花
47.寒霞だいがく芋の黄金色
48.霊園や冬芽図鑑を携えて
49.君の耳少し尖って節分や
50.寒林の中に真白き墓ひとつ
51.自信エビフライ食べたし春光
52.柏手のかわきて冴ゆる庚申堂
53.やれ生きた八目鰻の目の七つ
54.あるだけの長靴売られ冬終わる
55.生娘もほめる森川つくしかな
56.生きるためパンツに通す風光る
57.豆まきも賽銭も便乗が好き
58.店の売る服を着ていて街である
59.日脚伸ぶ何か噛み続ける店番
60.唐辛子売りがコロッケを食べている
61.柊を挿すためだけの穴でなく
62.生体肝移植成功猫孕む
63.節分や路地見売り子ら雑談す
64.春近し扉の向こうの生返事
65.店前の亀の子束子春隣
66.初句会声かけるほどには知らない
67.次々と乳房に流す水温し
68.春寒や並べて売られ錠と鍵




【アッテスガモ吟行句会結果】
 一席 科19
 二席 酒11◎3
 三席 雪11

 参加者:凡雪子朧墨舘酒波科廣友助る栗林ぱ森

 まとめ http://togetter.com/li/420662